- 発言者
- 高市 早苗
- 発言者名(原文表記)
- 高市早苗
- 役職(原文表記)
- 内閣総理大臣
- 発言日
- 2026-02-23
- 会議名
- 衆議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 7
国会本会議
衆議院 本会議での発言
高市 早苗(内閣総理大臣)
発言全文(原文)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 鈴木俊一議員の御質問にお答えいたします。 経済政策に対する基本的な考え方についてお尋ねがありました。 我が国の潜在成長率は主要先進国と比べ低迷していますが、そのために圧倒的に足りないのが国内投資です。 高市内閣では、過度な緊縮志向、未来への投資不足への流れを断ち切り、官民が手を取り合って世界共通の課題解決を目指す危機管理投資と成長投資などにより、日本の成長につなげてまいります。 これにより、暮らしの安全と安心を確保し、雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収が自然増に向かう強い経済を構築します。 この好循環を実現することで、日本経済のパイを大きくするとともに、物価上昇に負けない賃金上昇を実現します。 そして、国民の皆様の日々の暮らしと未来への不安を希望に変えてまいります。 財政に対する基本姿勢についてお尋ねがありました。 高市内閣の責任ある積極財政は、財政の持続可能性に十分配慮した財政政策であり、マーケットからの信認を損なう野方図な財政政策を取るわけではありません。 実際に、令和八年度予算でも、責任ある積極財政の考え方の下、投資すべき分野に大胆に投資するなど、強い経済の実現に取り組むとともに、予算全体のめり張りづけを行いつつ、国の一般会計において、新規国債発行額を二年連続で三十兆円未満に抑え、公債依存度も低下させるなど、財政の持続可能性に十分配慮しました。 今後とも、金利、為替を始め、日々の市場動向を常に十分注視しながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことにより、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。 物価高対策及び持続的な賃上げのための取組についてお尋ねがありました。 物価高への対応については、高市内閣として最優先で取り組み、総合経済対策や令和七年度補正予算に、ガソリン、軽油の暫定税率の廃止や補助による値下げ、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金による支援などを盛り込み、一世帯当たり、標準的に年間八万円を超える支援を実施しています。 こうした取組は順次国民の皆様に届き始めており、引き続き、迅速かつ着実な執行に努めます。 持続的な賃上げの実現に向けては、政府としては、事業者が継続的に賃上げできる環境を整えます。 具体的には、良質な雇用を支える中堅企業や、売上高百億円を目指す成長志向の中小企業、地域経済を支える小規模事業者などの稼ぐ力を抜本的に強化します。 プッシュ型の伴走支援や生産性向上、省力化支援に加え、官公需での対策を含めた価格転嫁、取引適正化の徹底、事業承継やMアンドAの環境整備に取り組みます。 さらに、本年夏に向けて、賃上げ環境整備に向けた対応を含む成長戦略を策定することとしています。その中で、施策を更に充実強化するための具体的な検討を進めていきます。 成長戦略策定の意義についてお尋ねがありました。 高市内閣では、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障など様々なリスクを最小化する危機管理投資、AI・半導体、造船などの先端技術を花開かせる成長投資により、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを開発し、国内外に提供することで、日本の成長につなげます。 先ほど述べたとおり、我が国に足りないのは、資本投入量、すなわち国内投資です。 このため、十七の戦略分野について、複数年度予算や長期的な基金による大胆な投資促進、国際展開支援、人材育成、研究開発、産学連携、国際標準化、防衛調達を含む官公庁による調達、規制・制度改革といった、供給及び需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策を講じます。 この夏に日本成長戦略を策定し、こうした施策を強力に推進することで、国内投資の促進に徹底的なてこ入れをし、我が国経済の成長を実現します。 科学技術・イノベーション政策についてお尋ねがありました。 強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力です。 大学改革を進めるとともに、基礎研究への資金提供を含めた科学技術研究の基盤を強化し、イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する新技術立国を目指します。 また、DX、AI化の進展などの産業構造転換に対応した人材育成を進めます。 AI技術についてお尋ねがありました。 AIは、我が国の産業競争力や安全保障などの国力に直結する重要な技術です。 まずは、昨年末に策定した人工知能基本計画に基づき、御指摘の偽情報の拡散などのリスクへの対応とイノベーション促進の両立を図ってまいります。 具体的には、AIの研究開発や活用の適正性を確保するためのAI指針の周知徹底、AIロボットを始めとしたフィジカルAIに不可欠な国産汎用基盤モデルの開発などを進めてまいります。 さらに、今年の夏までに、日本成長戦略を構成する投資目標、制度改革、人づくり、データ戦略などを含む官民投資ロードマップを盛り込む形で、AI基本計画を更に充実させるよう小野田大臣に指示をしております。世界で最もAIを開発、活用しやすい国を目指してまいります。 半導体戦略についてお尋ねがありました。 半導体は、今後、国内外において急速な市場拡大が見込まれており、成長投資の要となる戦略分野です。 政府としても、これまで、AI・半導体産業基盤強化フレームを策定し、事業者の予見可能性を確保しました。 こうしたフレームも活用しつつ、熊本のJASMや北海道のラピダスなどについて、戦略的かつスピード感を持って取り組んでいます。 先日、TSMCのシーシー・ウェイ会長にお会いした際、高市内閣が、生成AI、自動運転、ロボティクス等の最先端技術への投資を促すのみならず、需要の喚起や人材育成にも積極的に取り組んでいることには、日本国内の半導体産業の成長に大きく寄与するといったお話をいただきました。 このようなAI、半導体投資は、スタートアップの創出や、熊本や北海道における半導体関連産業の集積など、地域経済にも大きく波及し、地域未来戦略における産業クラスター形成の軸になるものです。 今後、官民投資ロードマップを夏の成長戦略の取りまとめに向けて具体的にお示ししていく方針です。 その中には、AIと半導体の戦略投資を一体的に拡大することにより需要と供給の好循環を実現するなどの戦略を盛り込んでまいります。 造船業の再生についてお尋ねがありました。 造船業は、海上輸送に不可欠な船舶を安定的に供給し、国民生活、経済活動のみならず、安全保障も支える極めて重要な産業です。 厳しい国際競争の中にはありますが、我が国の造船業には、ゼロエミッション船など、新たな需要をつかみ、成長産業として大きく飛躍できるポテンシャルがあります。 高市内閣では、造船を戦略分野の一つに位置づけています。船舶建造量の倍増に向け、官民投資ロードマップを策定し、造船業再生基金などを通じて、大胆な投資促進策を講じてまいります。 宇宙政策についてお尋ねがありました。 国際競争が激化する中、我が国の自律性を確保するため、御指摘の新たな宇宙基本計画工程表を着実に実行してまいります。 とりわけ、我が国の宇宙開発の基盤となる技術力や産業基盤を強化することが重要です。 宇宙は、日本成長戦略における十七の戦略分野の一つです。宇宙戦略基金による予見可能性の高い投資促進に加え、政府調達や制度整備など、供給及び需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策を講じていきます。 できるだけ早期に官民投資ロードマップを提示し、宇宙分野での我が国の勝ち筋に対し、戦略的な投資が進んでいく姿をお示しします。 令和の国土強靱化についてお尋ねがありました。 自然災害が激甚化、頻発化し、インフラ老朽化に対する国民の皆様の不安も高まる中、御指摘のとおり、未来への投資でもある国土強靱化の取組を加速させる必要があると考えています。 デジタル技術や衛星などのテクノロジーも活用しながら、ハード、ソフトの両面で、事前防災及びインフラの予防保全を徹底するため、第一次国土強靱化実施中期計画に基づく取組を集中的に実施してまいります。 防衛力強化についてお尋ねがありました。 前回三文書を改定した二〇二二年と比べ、各国が無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えを急ぐなど、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。 このため、高市内閣においては、まずは、現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準について、前倒しして、令和七年度に措置しました。 そして、安全保障環境の急速な変化に対応していくためには、抑止力の更なる強化、サイバー、宇宙、電磁波、無人アセットなどの領域への着実な対応、防衛生産・技術基盤の更なる強化、自衛官の処遇の改善といった防衛力の抜本的強化を、これまで以上のスピード感で進めていかなければなりません。 国民の皆様の命と暮らしを守り抜くために何が必要なのか、具体的かつ現実的に議論を積み上げ、三文書を前倒しで今年中に改定し、現実的で強靱な安全保障政策を前に進めてまいります。 サイバーセキュリティー対策についてお尋ねがありました。 我が国においても、重要インフラがサイバー攻撃を受ける事案が発生するなど、サイバー空間の脅威が国民生活や経済活動、ひいては国家安全保障にまで大きな影響を与え得る状況が生じています。 厳しさを増すサイバー情勢に対応するため、昨年、サイバー対処能力強化法が成立するとともに、新たなサイバーセキュリティ戦略を策定しました。 これらの法律や戦略の下、サイバー対処能力の更なる強化、社会全体のサイバーレジリエンスの向上など、サイバーセキュリティー対策の強化に積極的に取り組んでいくことで、自由、公正かつ安全なサイバー空間を確保し、国民の皆様の命と暮らし、経済を守り抜いてまいります。 エネルギーや鉱物資源の安定供給の確保についてお尋ねがありました。 エネルギーは、国民生活及び国内産業の基盤であり、鉱物資源も、自動車や半導体などの産業に必要不可欠です。 まず、エネルギー安全保障の観点から、省エネ技術の活用を進めるとともに、国産エネルギーを確保することが重要です。 また、地域の理解や環境への配慮を前提に、サプライチェーンの強靱性確保を図りながら、脱炭素電源を最大限活用します。 あわせて、資源外交やJOGMECによるリスクマネー供給支援などを通じた資源調達先の多角化などに取り組みます。 次に、重要鉱物の安定供給確保に向けては、同志国との連携を通じた代替供給源の確保や、南鳥島周辺海域のレアアースを含む国産資源開発を進めてまいります。 平和と繁栄をつくる責任ある日本外交の実現についてお尋ねがありました。 我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできました。 世界の平和と安定、繁栄に積極的に貢献する日本の姿は、国際社会に広く知られ、揺るぎない信頼を得ており、日本外交の強固な基礎となっています。 安倍元総理が自由で開かれたインド太平洋を提唱してから十年。 この間、地政学的な競争の激化、AI、デジタルなどの加速度的な技術革新とその覇権争いといった変化の中で、各国が自律性と強靱性を強化する必要が高まっています。 このような中、高市内閣として、FOIPを外交の柱とし、経済安全保障上の協力、経済成長機会の創出、安全保障分野での連携強化を中心に、FOIPを時代の変化に合わせて進化させていきます。 こうした取組を通じ、インド太平洋を共に強く豊かにし、平和と繁栄をつくる責任を果たすことにより、信頼される日本であり続けたいと考えます。 地域未来戦略についてお尋ねがありました。 地域の特性に応じた地域発のアイデア創出を募り、これまでの地方創生の支援策や税制などの政策ツールを最大限活用しつつ、大胆な投資促進策と産業用地を含めたインフラ整備とを一体的に講じます。 そのことを通じた都道府県知事などとの協働により、各地に産業クラスターを戦略的に形成していきます。 加えて、魅力ある地域資源を生かした地場産業の成長を支援し、地方から日本を成長軌道に押し上げてまいります。 社会保障制度改革についてお尋ねがありました。 社会保障制度を持続可能なものとするため、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要なサービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要です。 OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、データヘルスなどを通じた効率的で質の高い医療の実現などを進めていく中で、現役世代の保険料負担を抑えます。 あわせて、社会保障制度における給付と負担の在り方や所得再分配機能について、国民会議において、与野党の垣根を越え、有識者の英知も集めて議論し、結論を得ていきます。 憲法改正についてお尋ねがありました。 憲法は、どのような国をつくり上げたいのか、その理想の姿を物語るものです。 内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間で積極的な議論が深まっていくことを期待しております。 安定的な皇位継承についてお尋ねがありました。 皇室典範の改正は、国家の基本に関わる先送りのできない喫緊の課題であると認識しています。 国会において皇室典範の改正に向け議論が進展し、速やかにまとまっていくことを期待しています。 政府としては、国会における議論を経て、速やかに法改正に取り組んでまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣鈴木憲和君登壇〕
情報源
この発言の取得元です。原文は国会会議録検索システムでも確認できます。