国会本会議

参議院 本会議での発言

松本 洋平文部科学大臣

発言全文(原文)

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○国務大臣(松本洋平君) 古賀議員にお答えいたします。  まず、デジタル教科書の現状と法改正の必要性、改正後の対応についてお尋ねがありました。  現行の教科書代替のデジタル教科書は、令和八年度は約一〇〇%の小中学校等に英語を、約五五%の小中学校等に算数、数学を提供しております。  一覧性の高さやじっくり読む活動に適している紙の利点がある一方、デジタルには動画、音声等による説明も可能といった利点があることを踏まえ、今回の法改正は、英語のネイティブ音声や理科の実験動画など、デジタルの特性を生かしたコンテンツを教科書の一部とするとともに、検定の対象として質の担保を図るものであります。  文部科学省として、法改正後には、新たな教科書に係る大臣指針や検定基準の策定等を進めてまいります。  次に、紙とデジタルのハイブリッド教科書についてお尋ねがありました。  本改正において想定している紙とデジタルを組み合わせた形態の教科書につきましては、紙とデジタルの両方で教科書の全内容をそれぞれ製作するものではなく、例えば、紙の部分に記述された内容に関して、英語のネイティブ音声や理科の実験動画など理解促進のためのデジタルコンテンツを組み合わせて一つの教科書として構成したり、単元の一部を児童生徒に分かりやすくデジタルで構成することなどを想定しております。  次に、教科書の形態の選択と教科書を使用した指導についてお尋ねがありました。  今回の制度改正により、教科書採択に係る権限が変更されるものではありません。したがって、各教科書発行者においてデジタルも取り入れて作成された教科書の中から、これまでと同様、教育委員会等の採択権者において、種目ごとに一つの教科書を採択いただくことになります。  各学校においては、今後とも、採択された教科書を使用して、創意工夫の上で授業に取り組んでいただきたいと考えております。  次に、全てがデジタルの教科書の使用を認める学年や教科についてお尋ねがありました。  全てがデジタルの教科書に関しては、取り扱う学年や教科の扱いについて答弁したのは、一律に全てがデジタルの教科書に切り替わるのではないかという声もお聞きする中で、中教審でのヒアリングや有識者会議におけるこれまでの御意見などを踏まえ、現時点での考えとして述べたものであります。  次に、他学年の教科書の使用についてお尋ねがありました。  教科書は教科の主たる教材であり、一般的には各学年の教育課程に応じた教科書が使用されることとなります。  他方で、御指摘のように、特別の教育課程を編成するなど在籍学年とは異なる学年の内容を取り扱う場合は、その教育課程に応じた教科書が使用されているところであり、このような教科書の使用は法改正後も可能であります。  次に、教員養成課程におけるデジタル教科書の使用、活用についてお尋ねがありました。  教員養成段階でデジタルな形態を含む新たな教科書を含めたICTを活用した指導の方法をしっかりと学ぶことは重要と考えております。このため、教職課程においては情報通信技術の活用を位置付けておりますが、現行の教科書代替のデジタル教科書を実際に活用しての取組は必ずしも十分ではない、そのように認識をしております。  今後、今回の制度改正による新たな教科書の導入も念頭に置いて、大学の教員養成課程の中で新たな教科書を活用した学びがしっかりと行われるよう、関係者とも必要な意見交換や連携を行ってまいります。  次に、健康面や知識の定着等についてお尋ねがありました。  諸外国では、日本と同様の教科書の使用義務や検定制度がない国も多く、一様に比較できるものではありませんが、健康面への配慮や学習効果の把握等は重要と認識をしております。  制度改正後のデジタルな形態を含む教科書の導入に当たっては、改めて医学的な知見も含めた健康上の留意点を大臣指針で定めるとともに、実証研究を通じて授業理解や主体的な学び等との関係も分析してまいります。  次に、端末のスペックと教科書の採択の関係についてお尋ねがありました。  児童生徒が学習に使用する一人一台端末のスペックについては、文部科学省において最低スペック基準を定めており、同基準を満たすことが国費補助の要件となっております。  デジタルな形態を含む教科書の標準仕様を策定するに当たっては、GIGAスクール構想により整備された一人一台端末上で円滑に動作することを要件とすることを想定しており、端末の違いにより採択できる教科書の種類に制約が生じるということがないよう留意をしてまいります。  次に、前の学年のデジタル教科書の使用についてお尋ねがありました。  中教審の審議まとめでは、教科書のデジタル部分のライセンス期間は、多様な教育課程にも対応できるよう、教科書の使用学年を超えての使用も可能とする観点から、少なくとも、義務教育段階では三年以上、高等学校段階では四年以上とすることが望ましいとされております。本法案をお認めいただければ、今後、審議まとめも踏まえ、省令で具体的な期間を定めていくこととしております。  また、子供たちが家庭等でライセンス期間終了後も振り返り、復習等に活用できるよう、必要な部分についてはダウンロード、印刷することも可能としたいと考えており、今後、デジタルな形態を含む新たな教科書についての標準仕様の中でその取扱いを検討してまいります。  次に、学校や家庭でのICTインフラの格差是正に向けた文部科学省の今後の取組についてお尋ねがありました。  一人一台端末を活用した子供たちの学びを充実するためには、学校や家庭においてICT環境を整えていくことが重要です。このため、国においては、学校のICT整備計画に基づき、必要な経費に係る所要の地方財政措置を講じるなど、通信環境を始めとする学校のICT環境の整備を支援しております。また、家庭のICT環境の差によって学習の機会が損なわれることのないよう、学校教育に係る家庭における通信費に対し、義務教育段階における就学援助等によって支援を行っているところであります。  文部科学省として、引き続き、格差が生じることなく学びの充実が図られるよう、必要な支援に取り組んでまいります。  次に、ICT支援員についてお尋ねがありました。  ICT支援員につきましては、学校のICT環境整備三か年計画において、ICT環境の円滑な整備のために最低限必要な基準として四校に一人配置することを示しており、この計画に基づき所要の地方財政措置が講じられております。令和六年度にICT支援員の配置状況は全国平均で四・五校に一人にとどまっていますが、実際の配置においては、一人が複数校を兼ねて支援している地域もあれば、一校に一人配置して支援している地域もあると承知をしております。  文部科学省としては、ICT環境の充実に向けて、自治体や学校の実情も踏まえつつ、まずは全体として四校に一人の配置が満たされるよう促してまいります。  次に、教科書の分量、教科書観についてお尋ねがありました。  中央教育審議会における次期学習指導要領に向けた議論において、現在の教科書は内容が充実し分量が増加した一方、網羅的に指導すべきとの考えが根強く存在し、教師に負担や負担感を生んでいるとの指摘がある中で、教科書の内容は教科等の中核的な概念をつかみやすいものに精選する必要があること、教科書を教えるから教科書で教えるへの転換が求められるとの方向性が示されています。こうした考え方の下、引き続き、中央教育審議会や教科書検定審議会において、教科書の在り方について検討を行ってまいります。  次に、新たな教科書の導入に伴う教職員の業務負担についてお尋ねがありました。  今後、デジタルな形態を含む新たな教科書の導入に当たり、アカウント管理等の負担を軽減することは重要と考えております。  文部科学省においては、これまでアカウント登録に係るフォーマットの統一等の取組を進めてきましたが、今後さらに、複数のビューアーへのアカウントの一括登録についても検討してまいります。また、教師に過度な負担を掛けずにデジタルを含む教科書を活用していただけるよう、実践事例集やオンライン研修等で使用していただけるような研修動画などを充実してまいります。  次に、教師不足についてお尋ねがありました。  教師不足は、適切な指導体制の確保等の観点から、特に解決すべき課題と考えております。教師不足の要因は地域によって様々ですが、年齢構成に起因する大量の定年退職や特別支援学級の増加、採用者数の拡大に伴い、臨時講師のなり手でもある既卒受験者層の正規職員としての採用の進展などを背景に、臨時講師を含む教師の需要に対してなり手の確保が追い付いていない状況だと考えております。  文部科学省としては、学校における働き方改革など、教師が働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備等と併せ、専門性を持つ社会人等、多様な分野からの入職などを促進しているところであります。  教師不足対策は文部科学行政の最重要課題であると考えており、特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援等も含め、課題の解決に全力で取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────

情報源

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国会会議録一次情報

第221回国会 参議院 本会議 第17号

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発言情報

発言者
松本 洋平
発言者名(原文表記)
松本洋平
役職(原文表記)
文部科学大臣
発言日
2026-05-28
会議名
参議院 本会議
発言種別
国会本会議
国会回次
第221回
発言番号
6