- 発言者
- 赤澤 亮正
- 発言者名(原文表記)
- 赤澤亮正
- 役職(原文表記)
- 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
- 発言日
- 2026-05-19
- 会議名
- 参議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 12
国会本会議
参議院 本会議での発言
赤澤 亮正(経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構))
発言全文(原文)
国会会議録検索システムから取得した原文です。要約や言い換えは加えていません。
○国務大臣(赤澤亮正君) 竹詰仁議員から、十一問の御質問をいただきました。 まず最初に、国内投資の停滞原因及び投資が停滞した主な分野についてお尋ねがありました。 これまでの日本経済を振り返ると、人口減少に伴う将来悲観やデフレマインドの広がりを背景に企業が短期的な収益確保、コストカットを優先するようになったことで、国内投資が諸外国に大きく後れを取ってきました。政府も、市場に任せるべきという新自由主義的な考え方の下、新たな価値創出に向けた政府による政策的な支援が不十分だった結果、投資が伸び悩んできたものと考えております。 国内投資の中でも、企業の売上高に占める設備投資、研究開発、人材投資といった成長投資は、欧米と比べてなお低い水準にあり、伸び悩んできた分野です。こうした新たな付加価値の創出につながる投資が進んでこなかったことが、経済成長につながらなかった一因であるものと認識をしております。 成長戦略における戦略十七分野と本法案の関係についてお尋ねがありました。 今、世界では、地政学リスクの高まりや非連続な技術革新といった構造変化が起き、政府が主導する産業政策競争の時代が再来しています。日本も、政府が積極的な産業政策を展開をし、国内投資を徹底的にてこ入れする必要があります。 高市内閣においては、成長戦略における戦略十七分野で官民投資ロードマップを策定をし、肝となる危機管理投資、成長投資の促進に取り組んでいるところであります。 本法案においても、国内の供給力強化に向けて、戦略十七分野も含めて、国内投資の促進による事業の高付加価値化、海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化、事業活動の基盤となる産業用地の整備や産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持を一体的に措置することで産業競争力の一層の強化を実現をしてまいります。 なお、本法案による税制措置や金融支援の対象は戦略十七分野に限定されず、幅広い分野が対象となる予定でございます。 大胆な投資促進税制の要件についてお尋ねがありました。 大胆な投資促進税制は、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という官民の国内投資目標の達成に向け、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進することを目的としております。 このため、大企業については投資下限額を三十五億円に設定しており、これは、平均的な大企業一社当たりの年間の総設備投資額の三倍以上に相当する高い規模です。また、中小企業については、既存の中小企業税制も踏まえ、投資下限額を五億円としております。 また、高付加価値な投資を促すため、対象となる投資計画の投資利益率を一五%以上としております。この水準は、平成二十六年度から三年間実施された生産性向上設備投資促進税制において、大企業向けに同じ基準を採用し、幅広い業種で活用された実績があること、大企業が行う設備投資の中で投資利益率の高い上位約三割に相当する水準であることを踏まえ、設定したものであります。 このように、大規模で高付加価値な国内投資を促進する観点から、本税制では、投資下限額と投資利益率の両要件を満たす投資計画を対象としております。 中小企業が活用できる既存の税制との相違や本税制の効果についてお尋ねがありました。 大胆な投資促進税制は、大規模で高付加価値な国内投資を促進するものであり、投資利益率が一五%以上と見込まれ、中小企業の場合には五億円以上の投資計画を対象として、建物も含む設備投資に対して即時償却又は高い水準の税額控除を活用できます。 中小企業が活用できる既存の設備投資税制では建物の投資に対して即時償却を選択できないところ、本税制では建物を含めた即時償却又は高い水準の税額控除といった高いインセンティブを措置しております。 そのため、中小企業が工場の新設や増設に際し、建物や機械装置などを一体的に投資するような案件を後押しすることができると考えております。 税制の措置内容の程度についてお尋ねがありました。 投資インセンティブの水準については、各国において法人実効税率や税制対象の資産、措置期間などの前提が異なるため単純な横並びでの比較は難しいですが、欧米各国で国内投資促進策が強化される状況においても国内外の企業が日本での国内投資を進めるため、強いインセンティブを付与する措置としております。 今回の大胆な投資促進税制は、過去の大企業も活用可能な設備投資税制と比較しても強力な措置となっています。 具体的には、建物を含む設備投資に対して即時償却が可能であることに加え、ごく一部の措置を除けば最高水準となる七%、建物等は四%といった高い税額控除率を措置しています。三年の間に投資計画の確認を受ければ、そこから五年を経過する日までの間に事業の用に供されれば税制優遇措置を受けられるため、より長期にわたる設備投資も対象となります。認定を受けた事業者に対して、最大三年間の繰越税額控除を認めています。 国内投資を賃上げに結び付けるための対応についてお尋ねがありました。 二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という官民国内投資目標の達成に向け、本法案では、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進する大胆な投資促進税制を創設することとしています。これにより年間約四兆円分の設備投資が本税制の適用対象となると見込んでおり、国内投資の拡大に伴い、幅広い関連産業での需要創出につながり得ると認識しています。 加えて、企業の生産性や供給力の向上による稼ぐ力の強化を通じた賃上げや物価上昇圧力の緩和にも資するものと考えており、本税制により大規模かつ高付加価値な国内投資を幅広く後押しをしてまいります。 エネルギーの確保についてお尋ねがありました。 エネルギーは国民生活や経済活動の基盤であり、エネルギーの安定供給を確保し、国際的に遜色ない価格でエネルギーを供給することは重要です。 引き続き、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合のいわゆるSプラス3Eのバランスを取りつつ、責任あるエネルギー政策を進めてまいります。 本法案による設備投資の促進による日本社会の課題解決についてお尋ねがありました。 大胆な投資促進税制については、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という官民の国内投資目標の達成に向け、大規模で高付加価値な国内投資を促進することを目的とするものです。 国内投資拡大、産業構造転換を見据えた二〇四〇年の将来見通しを経済産業研究所と共同で試算する中で、総人口や生産年齢人口の減少を組み込んだ上で、官民目標の国内投資二〇四〇年度二百兆円が達成されることで生産性が向上し、経済成長を実現していくことが可能であるとお示しをしております。 我が国は、人口減少や高齢化、労働力不足といった構造的課題に直面しているところ、一人当たりの生産性を高めることが不可欠です。そのため、本法案に基づく大規模で高付加価値な設備投資を促進することにより生産性の向上や供給力の強化を実現することは、人口減少や労働力不足といった我が国が直面する構造的課題の克服に資するものであります。 データセンターにおいて、立地地域との共生及び工業用水の供給について政府としてどのように支援するのか、お尋ねがありました。 立地地域との共生については、五月一日に日本データセンター協会がデータセンター地域共生ガイドラインを作成したところ、経済産業省としては、関係省庁と連携し、業界への周知徹底や遵守状況のモニタリングなどを行い、実効性を確保してまいります。 また、工業用水の供給については、今回の法改正により工業用水道事業法の特例措置を講じ、サーバーの冷却に水を必要とするデータセンターについても工業用水の供給義務の対象に追加することにより、データセンターに対する低廉で安定的な水の供給の確保を図ることとしています。 データセンターへの電力供給に関する施策についてお尋ねがありました。 データセンターの新増設により、今後の電力需要は増加が見込まれています。増加する電力需要に対しては、あらゆる電源の活用と送配電網の増強を進め、安定供給を確保する方針です。 具体的には、長期脱炭素電源オークションを活用し、脱炭素電源やLNG火力の新設、リプレースへの投資環境を整えてまいります。また、今国会に提出している電気事業法の改正法案において、大規模な電源や送電網への投資を促進するため、財政投融資を活用した貸付制度を盛り込んでいます。 加えて、データセンターを新設しても早期に電力供給が可能な場所を示すウェルカムゾーンマップやGX戦略地域制度の枠組みを活用し、データセンターを電力インフラの観点で適した地域へ誘導する取組も進めてまいります。 SMRとガス火力発電の日本での投資促進についてお尋ねがありました。 SMRについては、日米戦略的投資イニシアチブでのプロジェクトを始め、海外のSMR導入への日本企業の参画で得られる知見は将来的に日本での導入にも資するものと考えており、引き続き国際連携での取組の後押しは重要と考えています。 その上で、国内にSMRを設置するに当たっては、地震、津波といった厳しい自然条件への適合が課題であり、政府としても、日本企業の設計、開発を支援することで国内投資を促進してまいります。 LNG火力発電についても、脱炭素化に向けたトランジションの手段として、国内における新設、リプレースの投資を促進していくことが重要であります。そのため、長期脱炭素電源オークションを通じてLNG火力の投資促進に取り組んでおり、今後、約一千万キロワットのLNG火力の新設、リプレースが実施される予定です。 電力の安定供給の確保のため、SMRを始めとする次世代革新炉の開発、設置や、LNG火力の新設、リプレースを後押ししてまいります。 以上です。(拍手) 〔国務大臣城内実君登壇、拍手〕
情報源
この発言の取得元です。原文は国会会議録検索システムでも確認できます。