国会本会議

参議院 本会議での発言

赤澤 亮正経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

発言全文(原文)

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○国務大臣(赤澤亮正君) 古賀之士議員から、十二問御質問がありました。  まず最初に、法案を束ねる理由についてお尋ねがありました。  本法案においては、企業の事業活動の持続的な発展を図るため、国内投資の促進により、事業の高付加価値化を後押しするための諸外国と比べて遜色のない大胆な投資促進税制、海外需要開拓や安定的な原材料確保を通じた供給網の強靱化、事業活動の基盤となる産業用地の整備、担い手の確保に資する生活維持に必要なサービスの持続性確保を一体的に措置することとしております。  このうち、供給網の強靱化については、日米戦略的投資イニシアチブを契機とした経済安全保障や、新たな需要開拓に資する米国内プロジェクトの組成に必要な措置を講じるものです。これは、産業競争力強化法によって国内の設備投資を促進しても、その原材料となる重要物資の安定供給の確保や海外需要の開拓を怠っては持続的な発展は実現しないことから、貿易保険法を束ねて改正をするものでございます。  このように、貿易保険法も含めて三本の法律の措置を一体的に推進することで、国内での成長投資を促し、我が国の産業競争力の強化が図られると考えております。  中小企業の維持と強化についてお尋ねがありました。  御指摘の大胆な投資促進税制については、原則として全業種を対象として、大規模で高付加価値な国内投資を促進することを目的としており、投資計画が五億円以上であり、投資利益率一五%以上などの要件を満たす場合に中小企業が利用可能となっております。例えば、中小企業が工場の新設や増設に際し、建物や機械装置などを一体的に投資するような案件に御活用していただけると考えております。  また、中小企業に対しては、基本的に投資規模などの要件がなく、投資利益率七%以上との要件を満たせば適用可能な中小企業経営強化税制が既に措置されており、中小企業のニーズに応じて大胆な投資促進税制との選択が可能となっております。  こうした措置に加え、地域を支える中小企業・小規模事業者の稼ぐ力の強化と賃上げの好循環の実現に向けて、成長投資や省力化、生産性向上といった施策を着実に実行することで、強い中小企業・小規模事業者への行動変容を促してまいります。  大胆な投資促進税制を始めとする本法案の妥当性に関する検証と、その結果の産業政策への反映についてお尋ねがありました。  御指摘の大胆な投資促進税制については、設備投資の状況に関する調査の規定に基づき、投資金額や投資利益率の実績について事後的に検証を行う予定です。本税制が企業の国内投資の増加にどの程度寄与するか、しっかりと把握し、検証していきたいというふうに考えております。  また、今般の法改正では、法律施行後五年を目途に、経済社会情勢の変化を勘案しつつ、施行状況について検討を加え、必要な措置を講ずることとしております。  戦略的投資イニシアチブにおけるNEXIのリスク管理についてお尋ねがありました。  まず、前提として、案件の選定に当たっては、了解覚書に基づき、協議委員会において、収支相償、償還確実性及び日本への裨益、メリットがあることを確認をいたします。  その上で、本イニシアチブでは今後も多くの案件が組成されることによりリスクの分散が図られることが想定されるため、区分経理を行うことによってリスクが高まるといった御指摘は当たらないものと考えております。  また、御指摘の交付国債については、必要な交付額を適切に見込んでおります。特別勘定において、保険料収入や民間金融機関等からの資金調達、交付国債の償還を行っても対応できない規模の保険金支払が万が一必要となった場合の対応について、予断をもってお答えをすることは差し控えます。  ただし、一般論としては、貿易保険法第二十八条において、NEXIの資金調達が困難な場合には政府が必要な財政上の措置を講ずることとされていることも踏まえ、確実な保険金支払のため、政府として必要な対応を行うことが想定されます。  次に、産業用地の偏在についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、一般財団法人日本立地センターが公表している情報によると、分譲可能な産業用地面積のうち、約五割は北海道に所在をしています。  他方で、経済産業省が実施した調査では、企業は、新たな工場の立地に当たり、自社の工場や取引先企業との近接性、人材確保を重視するとされています。  また、経済産業省が実施したアンケートでは、都道府県及び政令市の八割超が五年以内に産業用地が枯渇する可能性があるとされており、我が国全体としても産業用地の不足を解消していく必要があります。  こうした認識に基づき、政府としては、本法案の措置に基づき、既存の産業用地の活用と新しい産業用地の整備を両輪で進めてまいります。  産業用地確保のための施策である産業用地整備促進伴走支援事業と産業用地マッチング事業の結果と検証、また、本法案にどの程度生かされているのかについてお尋ねがありました。  自治体が産業用地を整備する際の課題であるノウハウを持つ職員の不足を解決するため、令和六年度から、工場適地の調査や用地整備の計画作成を支援する産業用地整備促進伴走支援事業を開始いたしました。事業開始からの二年間で延べ五十五の自治体を支援し、結果として十一件の自治体が用地整備に着手しています。  また、立地場所を探す事業者と空き産業用地をつなぐ産業用地マッチング事業では、事業開始の令和七年六月から本年四月までに合計六十八件の問合せがありました。  本法案においては、これらの事業で自治体から寄せられたニーズも踏まえ、既存の産業用地の活用拡大と、新たな産業用地の整備を促進するための措置を講じることとしております。  産業用地確保に関して、既存事業との一体性についてお尋ねがありました。  産業用地の確保に向けては、これまで、産業用地マッチング事業により、立地場所を探す事業者と空き産業用地のマッチングを進めてまいりました。こうした取組に加え、今回の法改正で、緑地規制の特例緩和や工業用水供給によるデータセンターの立地誘導の措置を講じることで、既存の産業用地の条件改善と利用促進を両輪で進めてまいります。  加えて、産業用地整備促進伴走支援事業では、自治体による用地整備の検討に際しての調査を支援してきましたが、本法案では、用地整備を一層促進すべく、自治体が民間ディベロッパーと連携することでノウハウを補う措置や、ノウハウを有する中小機構の助言で自治体の対応能力を向上させる措置を講じることで、用地確保から造成、企業誘致まで一気通貫で支援することとしています。  また、こうした措置については、改正法の成立後、制度詳細について様々な形で自治体への説明機会を設けるとともに、プッシュ型の情報提供も行い、制度周知を図ってまいります。  工場立地法の緑地規制緩和についてお尋ねがありました。  工業立地法では、工場立地が環境の保全を図りつつ適正に行われることを目的としており、緑地面積率は、国一律の基準のほか、国が定める基準の範囲内で、条例により市町村が地域の事情に応じて定めることが可能です。他方、企業からは、工場敷地内での拡張や建て替えに当たり、緑地面積の確保が課題という意見も多く、自治体からもこうした課題への対応を可能とする措置を求める声が上がっています。  このため、本法案では、地域経済牽引事業の用に供する工場であって、周辺の生活環境の保持のために必要な対応を行う場合には、緑地面積率の基準について市町村の裁量を拡大することを認めることとしております。  緑地規制に関する環境配慮の取組についてお尋ねがありました。  本法案では、緑地面積率の特例措置を設ける工場に対し、工場周辺の地域の環境の保全を目的とする工場立地法の趣旨に沿って、生活環境の保持について配慮する取組を求めております。具体的には、例えば、議員御指摘のような敷地外での緑地等の整備、確保や、環境の保全に資する設備の導入といった取組を求める方向で調整を進めております。  本法案によるエッセンシャルサービスの維持と地域における人材定着の見込みについてお尋ねがありました。  小売、ガソリンスタンド、交通といったエッセンシャルサービスは、地域の人々の生活維持にとって重要性が高い一方で、市場経済の下で採算性が確保できなければ撤退を余儀なくされます。  このため、本法案においては、エッセンシャルサービスが維持されるよう、事業の効率化を通じた採算性を確保する取組について、信用保証協会による一般保証枠とは別枠での債務保証、日本政策金融公庫による特別利率での融資といった金融支援を講ずることとしています。  また、こうした支援を通じて、地域の生活を底支えする生活基盤としてのエッセンシャルサービスの持続性を確保することで、地域における人材の定着に寄与するものと考えています。  エッセンシャルサービスへの支援の効果の見通しと投資回収の予見性についてお尋ねがありました。  本法案では、エッセンシャルサービスを供給する事業者に対して、金融支援を講じることで事業に必要な資金の供給の円滑化を図ることとしています。また、例えば、共同調達を行うために事業協同組合を設立する場合、本法案では、事業協同組合の設立に必要となる発起人の要件を緩和することとしており、こうした取組を通じて、人口減少や少子高齢化が進む地域においてもエッセンシャルサービスの供給が可能となることを目指しています。  加えて、経済産業省としては、関係省庁や地方自治体と連携して様々な施策を動員することで、エッセンシャルサービス供給事業者の投資回収の予見性は高まるものと考えております。  地域の交通や産業を維持するための根本的な対策についてお尋ねがありました。  人口減少、少子高齢化が進展する中で持続的に地域経済を発展させていくためには、産業の担い手の確保に資する地域交通も含めたエッセンシャルサービスの持続性確保に加え、新たな投資による工場や事業所が地域に立地するための受皿となる産業用地の確保が重要です。  このため、本法案では、設備投資促進策と併せて、エッセンシャルサービスの維持や産業用地の確保も進める制度的枠組みを設けることとしました。  経済産業省としては、地域経済の活性化に向けて、関係省庁とも連携しながら、本法案に基づく措置だけでなく、予算、税制、規制緩和も含めてあらゆる政策を総動員して取り組んでまいります。(拍手)    〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

情報源

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国会会議録一次情報

第221回国会 参議院 本会議 第14号

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発言情報

発言者
赤澤 亮正
発言者名(原文表記)
赤澤亮正
役職(原文表記)
経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
発言日
2026-05-19
会議名
参議院 本会議
発言種別
国会本会議
国会回次
第221回
発言番号
8