- 発言者
- 鈴木 憲和
- 発言者名(原文表記)
- 鈴木憲和
- 役職(原文表記)
- 農林水産大臣
- 発言日
- 2026-06-16
- 会議名
- 参議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 12
国会本会議
参議院 本会議での発言
鈴木 憲和(農林水産大臣)
発言全文(原文)
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○国務大臣(鈴木憲和君) 高橋光男議員の御質問にお答えいたします。 今回の補正予算や農林水産関係予算についてのお尋ねがありました。 今回の補正予算は、中東情勢を踏まえ、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応するため、重点支援地方交付金や予備費を措置し、リスクの最小化の観点から万全の備えを取ったものです。 農業生産資材等の価格高騰に対しては、令和八年度当初予算や令和七年度補正予算などを活用し、燃油や飼料の価格高騰による影響を緩和するため、補填金を交付する制度を講じているほか、農林漁業セーフティネット資金などに対する金利負担軽減の措置も講じているところです。 また、農林水産関係予算については、近年、厳しい財政事情の中にあっても必要な予算の確保を図っており、令和八年度当初予算は前年度比二百五十億円増となっています。さらに、令和七年度から五年間の農業構造転換集中対策期間においては対策費用一・三兆円を別枠予算として措置することとしており、引き続き、必要な予算を確保し、食料安全保障の強化を図ってまいります。 次に、本法改正で米の安定供給に係る国民の不安をどう解消していくのかについてのお尋ねがありました。 本改正案では、多様化する流通実態を的確に把握するため、外食、中食、加工業者を届出対象に追加をする、民間事業者に対し在庫数量や取引数量などの定期報告を義務付ける等の措置を講ずることとしております。また、備蓄米の機動的放出を可能にするため民間備蓄制度を創設することとしており、これらの取組により、国民の皆様に対し米の安定供給を図ってまいります。 なお、政府備蓄は食料安全保障の観点から不可欠であることから、供給が不足する場合に備え、量が足りていなければ売り渡す、量が足りていれば売り渡さないとの考えで運営することとしており、米価の維持を目的とした運営は行わない考えです。 次に、政府備蓄米の備蓄水準の回復についてのお尋ねがありました。 政府備蓄米の在庫量は現在三十二万トンですが、保管中の品質劣化を防止するため、倉庫内の温度、湿度を一定水準に保ち、令和二年産米を含め、主食用としての品質を維持しているところです。 本年四月から六月にかけて令和八年産の政府備蓄米の買入れを行ったところですが、政府備蓄米の買戻しについては、今後の需給状況や販売動向等を見定めた上で適切に判断してまいります。 次に、人工衛星やAIなどを活用し、米の収穫量などを正確に把握する仕組みについてのお尋ねがありました。 米の需給の安定を図るためには、デジタル技術を活用して、効率的に生産量に関する統計調査の精度を向上させることが重要です。このため、昨年十一月に開かれた米の安定供給等実現関係閣僚会議において、将来は人工衛星データやAIを活用した生産量の算定に移行することを目指すこととされ、本年度から実証研究を開始したところです。 収穫量などを効率的かつ正確に把握する統計手法の確立に早急に取り組んでまいります。 次に、フードGメン、フードGメンが現場に入り、食料システム全体で適正な取引につなげるべきとのお尋ねがありました。 米について、生産者による再生産が可能で、消費者にも理解される合理的な価格形成を図るためには、本年四月に施行された食料システム法に基づき、米穀機構から公表されたコスト指標も参考に、生産から流通、販売に至る各段階の取引が適正に行われることが重要です。 このため、農林水産省では、フードGメンの体制を整備し、本省、地方農政局の情報窓口に寄せられた情報や食品事業者への取引実態調査で得られた情報を基に、フードGメンが食品事業者の事業所に出向き、誠実に協議に応じているかなどの調査を実施しています。 調査の結果、協議に応じないなどの事案が確認された場合には、農林水産大臣が食品事業者に対し指導、助言、勧告、公表などの措置を講ずることで、適正な取引の確保に努めてまいります。 次に、中山間地域等直接支払と多面的機能支払についてお尋ねがありました。 中山間地域等直接支払及び多面的機能支払については、昨年四月の食料・農業・農村基本計画の中で、令和九年度以降の水田政策の見直しの一環として、「中山間地域等直接支払について、条件不利の実態に配慮し、支援を拡大する。多面的機能支払について、活動組織の体制を強化する。」と明記されたところです。 これを踏まえ、中山間地域等直接支払については、地方公共団体が、傾斜によらない不利性を有する農地について、協定農地の営農や共同活動の継続のために必要と認める場合、対象農地へ位置付ける、多面的機能支払は、地域外の人材の確保や先進技術の活用により作業の省力化を図る取組を支援するといった検討を進めることとしており、今後、関係者の御意見等を踏まえ、詳細を検討してまいります。 次に、コスト上昇などを条件に発動する新たな経営安定制度の導入についてのお尋ねがありました。 生産者が安心して営農活動を行うためには、生産者の再生産、再投資が可能な価格水準に落ち着いていくことが重要であると考えております。 本年四月の食料システム法の施行を受けて公表された米のコスト指標は、生産から販売に至る各段階のコストを明確にし、コスト割れでの供給を抑止しようとするものです。これを参考に、生産から流通、販売に至る各段階の取引が適正に行われるよう取り組んでまいります。 その上で、農業収入が減少した場合に備え、従来から収入保険などのセーフティーネット対策を措置しており、引き続きこうした施策を着実に推進してまいります。 なお、新たな経営安定制度の導入に当たっては、生産性向上に向けた取組に与える影響や、どういった生産者を対象とするのか、支援水準をどのように設定するのかなど、慎重な検討を要するものと考えています。 次に、新たな水田政策について、早期の制度設計と十分な予算確保についてお尋ねがありました。 令和九年度からの新たな水田政策においては、加工用米、米粉用米など主食用以外の米や麦、大豆などについて、生産性向上の取組に対し、収量に応じた面積払いで支援することを検討しています。 収量の算定に当たっては、中山間地域などの条件不利地域の実態も考慮し、全国一律の基準ではなく、地域別の基準の設定を検討しています。 具体的な支援の単価や要件については今後早急に検討を進めてまいりますが、現行の水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編により得られた財源を活用し、新たな水田政策に必要な予算額についてはしっかり確保するべく努力してまいります。 次に、地域計画における受け手不在の農地についてのお尋ねがありました。 地域計画は、一度策定して終わりにするのではなく、受け手不在農地の解消などのためにも、関係機関が連携し、継続的な見直しを行い、その完成度を高めていくことが重要です。 このため、市町村、農業委員会に加え、JAや土地改良区などの協力団体も含めた現場活動の推進体制の強化や、地域の話合いのコーディネーターなどの派遣などを支援しているところです。 また、農地バンクについては、地域外からの担い手の誘致など、受け手を見付ける努力を続ける市町村などと連携して、積極的に中間管理を行うことを促してまいります。 あわせて、農地の貸借に係る関係書類の削減など、農地バンクの手続の簡素化、迅速化を図っているところであり、これらの取組により、受け手不在農地も含め、より多くの農地を担い手や新規就農者につなげてまいります。 次に、担い手の育成、確保と地域の協働体制についてのお尋ねがありました。 農業者の減少が進む中で、食料安全保障の確立を図るためには、農業で生計を立てる担い手の育成、確保を図るとともに、地域農業が維持発展できるようにすることが重要です。 そのためには、農業を他産業よりも魅力がある、稼げる産業にすることが必要です。農地の集約化や大区画化などの生産性向上や、農作物のブランド化などによる付加価値向上、輸出による販路拡大など、農業経営の収益力を高めるための取組を進めていくとともに、地域が共同で行う水路、農道などの管理活動などを支援し、協働体制の強化を図ってまいります。(拍手) 〔国務大臣片山さつき君登壇、拍手〕
情報源
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