国会本会議

衆議院 本会議での発言

鈴木 憲和農林水産大臣

発言全文(原文)

国会会議録検索システムから取得した原文です。要約や言い換えは加えていません。

○国務大臣(鈴木憲和君) 村岡敏英議員の御質問にお答えいたします。  主食の安定供給に対する政府の基本認識についてのお尋ねがありました。  国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障上の観点から不可欠と考えています。  今般の米の需給及び価格の問題については、国の需給見通しの誤りから米の供給量が不足するとともに、備蓄米の売渡しも機動性を欠いたことから米価が高止まりし、消費者の米離れの懸念が発生するなどの事態を招いたところです。  農林水産省としては、今回の事態を大変重く受け止め、需要に応じた生産の推進、多様化する流通実態の把握強化、備蓄制度の見直しなどの措置を盛り込んだ食糧法改正案を今国会に提出したところであり、国民の主食である米の需給及び価格の安定をしっかりと図ってまいります。  次に、二〇二三年産米について、農林水産省が秋田県に対し生産抑制を求めたのではないかとのお尋ねがありました。  当時は、コロナ禍であり、米の需要量が初めて七百万トンを切るとともに、民間在庫量も二百万トンを超えて高い水準にある中で、担当局の幹部や担当者は、秋田県を含め各都道府県と地域の米の需要を考慮した米の生産の在り方について意見交換をしていたものと承知をしております。  また、産地交付金については、当時、秋田県を含めた各都道府県に対し、前年度の配分実績や転作作物の作付面積に応じて配分する考え方を御説明していたものと承知をしており、転作作物の作付面積の減少なく、減額を示した事実はありません。  さらに、今般の米価高騰については、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会において要因と対応について御議論をいただき、これを踏まえ、今国会に食糧法改正案を提出したところであり、迅速な御審議を賜りたいと考えています。  次に、需要に応じた生産についてのお尋ねがありました。  今般、食糧法改正案に需要に応じた生産を規定するに当たっては、需要減少を前提とした生産調整方針を廃止した上で、政府は、需要に応じた生産が可能となるよう、需要開拓や輸出促進、生産性向上などにより、生産の持続的な発展を図る旨を規定しており、決して減反を意味するものではありません。  農林水産省としては、昨年四月に閣議決定をした食料・農業・農村基本計画において、二〇三〇年の生産目標を二〇二三年の七百九十一万トンから八百十八万トンに拡大することとしたところです。  今般の改正案も踏まえ、政府が前面に立って、需要を創造しつつ、米の増産をできる環境整備に取り組むことで、米の安定供給とこれを通じた価格の安定化を図ってまいります。  次に、米価の安定化についてのお尋ねがありました。  米の価格は、需給バランスなど民間の取引環境の中で決まっていくものと認識しています。  本年四月に施行された食料システム法に基づき、米穀機構から公表された米のコスト指標価格の活用を通じて、民間の取引において、生産者の再生産、再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待しています。  また、今般の食糧法改正案に盛り込んでいる、多様な米の需要を創出した上で増産を図る需要に応じた生産の推進、届出事業者の拡大による流通実態の把握強化、備蓄米の機動的放出を可能にするための民間備蓄制度の創設などの措置により、米の需給の安定を図り、これを通じて米の価格の安定化を図ってまいります。  次に、流通実態の把握強化、民間備蓄に係る事業者の負担、備蓄米の今後の放出についてのお尋ねがありました。  今般の食糧法改正案で措置する届出や定期報告の拡大、民間備蓄の実施に当たっては、事業者の皆様方の御負担を軽減することが重要であるため、対象者を一定規模以上の方に限るとともに、電子申請の導入についても検討してまいります。  また、民間備蓄に係る事業者の負担については、事業者に対し、備蓄米の保有が円滑に行われるよう、政府が必要な財政上の措置等を講ずる旨を改正法案に明確に規定しております。  さらに、備蓄米の放出基準については、価格高騰時ではなく、供給量が不足している場合に売り渡すとの基本的な考え方に立ち、届出事業者からの在庫量や出荷、販売量などの定期報告に基づき、供給量の不足を把握した場合には、機動的に備蓄米を供給してまいります。  次に、米の輸出拡大、業務用米の輸入の増加、国産米の安定供給体制の構築についてのお尋ねがありました。  米の輸出拡大については、日系に加え、現地系のスーパーやレストランなどの新たな販路を開拓するとともに、グルテンフリーの米粉、米加工品など付加価値を持つ商品のプロモーション強化などにより、米の新たな需要を開拓してまいります。  また、併せて、農地の大区画化などの基盤整備、多収品種の開発普及、スマート農業の導入など、生産コストの低減を進めてまいります。  今般の業務用米の輸入の増加については、国内の米の価格上昇に伴い生じたものと考えており、こうした状況が継続すれば、国内市場が奪われかねないと懸念をしています。  このような事態を防ぐためには、産地が消費者や中食、外食などのニーズに応え、多様な価格帯の米を供給することが重要と考えており、生産コストの低減を進めるほか、産地と実需者による複数年契約を含む播種前契約の拡大を推進しており、引き続き、実需者の求める米の安定供給に向けて取り組んでまいります。  次に、生産者の再生産可能な所得の実現についてのお尋ねがありました。  米の価格については、食料システム法に基づくコスト指標の活用を通じて、生産者の再生産、再投資が可能で、消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことを期待をしております。  その上で、大幅な米価の下落などに伴い農業収入が減少した場合に備え、収入保険などのセーフティーネット対策を着実に推進してまいります。  また、生産者の直接支払い制度につきましては、税金が原資であるため、国民の皆様の御理解を得る必要があるほか、生産性向上に向けた取組に与える影響や、どういった生産者を対象とするのか、支援水準をどのように設定するのかなど、慎重な検討を要するものと考えております。  次に、今後の農業者の確保、受け手不在農地の解消、地域計画の実現についてのお尋ねがありました。  今後の農業者の確保については、少数の農業者がより多くの農業生産を担う農業構造へ転換する必要があるため、昨年四月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画において、四十九歳以下の担い手数について、二〇二三年現在の水準である四・八万を維持するという目標を位置づけているところです。  この目標の実現に向け、就農準備資金や経営開始資金などにより若い世代の新規就農支援を行うとともに、経営継承に向けたマッチングや相談対応等により、第三者継承を支援してまいります。あわせて、既存の担い手の規模拡大や地域外からの担い手の参入の促進などを進めることで、受け手不在農地の解消を図ってまいります。  また、地域計画の実現を後押しするため、農地バンクによる農地の権利移転とともに、農家負担のない基盤整備、担い手への機械導入の支援などを進めてまいります。引き続き、先を見通せる農政を実現することにより、農業者が将来に希望を持って、安定して生産できる環境を整えてまいります。  肥料や生産資材への対策についてのお尋ねがありました。  肥料については、本年の春作業に使用する肥料は、昨年設定された価格で既にほとんどの農業者が調達済みと考えていますが、引き続き、価格動向を把握し、農家の皆様の経営に影響が生じないよう、緊張感を持って対応してまいります。  また、将来の調達に不安の声がある農業用マルチなどの生産資材については、経済産業省と連携をし、ポリエチレンなどの安定供給に向けて原料メーカーへの働きかけを行うとともに、生産資材の製造、流通事業者などに対しても受発注の平準化などを要請をいたしました。  さらに、五月一日にはマレーシアを訪問し、肥料原料の尿素の主要な製造事業者である国営企業より尿素の安定供給の確約を得てまいりました。加えて、ナフサ及び原油の我が国への安定供給についても協力を依頼してまいりました。  引き続き、生産資材の安定的な確保に向け、万全の対応を行ってまいります。  次に、食料安全保障と地方再生についてのお尋ねがありました。  食料安全保障の確保に向けては、国内の農業生産の増大を図ることを基本として食料の安定的な供給を行うことが重要です。そのためには、農業経営の収益力を高め、稼げる農業を創出することで農業の成長産業化を図る必要があると考えております。  このため、農業の構造転換への集中投資により生産性の抜本的向上を進めるとともに、品種保護によるブランド化やきめ細かなマーケティングなどによる付加価値の向上などの取組を進めてまいります。  あわせて、農村の重要な産業である農業を中心として、農村の多様な地域資源を活用した付加価値の創出や、他産業との連携を通じ、農村における所得の向上や雇用の創出、関係人口の拡大を推進してまいります。  こうした取組は、食料安全保障の確保に資するだけではなく、農業や関連産業の発展を通じて、地方に活力を取り戻すことにもつながるものと考えております。(拍手)

情報源

この発言の取得元です。原文は国会会議録検索システムでも確認できます。

国会会議録一次情報

第221回国会 衆議院 本会議 第17号

会議録ページを開く

発言情報

発言者
鈴木 憲和
発言者名(原文表記)
鈴木憲和
役職(原文表記)
農林水産大臣
発言日
2026-05-11
会議名
衆議院 本会議
発言種別
国会本会議
国会回次
第221回
発言番号
14