- 発言者
- 小野田 紀美
- 発言者名(原文表記)
- 小野田紀美
- 役職(原文表記)
- 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障)
- 発言日
- 2026-04-28
- 会議名
- 衆議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 36
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国会本会議
小野田 紀美(内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障))
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○国務大臣(小野田紀美君) 長妻昭議員から、まず、ホルムズ海峡封鎖による経済的影響と本法律案の関係、特定重要物資の対応状況、特定社会基盤事業の状況、官民協議会の四点についてお尋ねがありました。 まず、今般のホルムズ海峡封鎖による経済的影響への対応は、我が国の平和と安全、経済的な繁栄に関することであり、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するという経済安全保障推進法の目的から排除されるものではありません。 また、近年、類を見ないほど複雑化しつつある国際情勢や安全保障環境の変化に対応すべく、本法律案では、御質問にもあった官民協議会、そして総合的なシンクタンクを創設し、経済安全保障上の幅広い課題について、対策の検討や調査研究等を行うこととしております。 これらで扱う個別のテーマについては、ホルムズ海峡の閉鎖に伴う経済的な影響も含め、改正法施行後の時々の情勢等を踏まえ、適時適切に判断してまいります。 次に、特定重要物資の対応状況についてお答えいたします。 本改正法案においては、物資の供給に不可欠な役務を確保することで、特定重要物資の一層の安定供給確保を図ることなどを軸に置いています。また、原油や石油関連製品等の安定供給確保は、経済安全保障推進法だけではなく、ほかの法律に基づく制度等、様々な施策を組み合わせて、その安定供給確保を講じております。 経済安全保障推進法で支援対象になっているものとして、例えば、ヘリウムについては、特定重要物資である半導体の製造に必要な原料として、その備蓄やリサイクルを行う施設設備の導入等支援を進めてきており、既に、備蓄量の確保に一定の効果を上げているところです。 中東情勢を含む昨今の国際情勢も踏まえ、引き続き、関係省庁によるほかの施策とも連携しつつ、重要物資の安定供給確保を強力に実施してまいります。 次に、医療関係物資を特定重要物資に指定する必要性についてお尋ねがありました。 医療関係物資の安定供給確保についても、経済安全保障推進法のみならず、ほかの法律に基づく制度等、様々な施策も組み合わせて対応してきております。 また、原油やナフサを含む石油製品については、日本全体として必要となる量を確保できており、医療関係物資も含めた一部で生じる供給の偏りや流通の目詰まりについては、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣や関係閣僚の下で、政府一丸となって対応を進めております。 その上で、経済安全保障推進法においては、医療関係の物資として、抗菌性物質製剤と人工呼吸器を特定重要物資に指定し、その指定に基づき、厚生労働省において、国内生産基盤強化や備蓄の支援を行っておりますが、その他の医療物資についても、国民の生命、生活にとって大変重要な物資であると認識しております。 今回の改正法案と直接関連するものではありませんが、今般の中東情勢の影響を受けた足下の対応と同時並行で、ある程度先を見越した対応として、関係省庁とも連携し、スピード感を持ってリスク点検を実施いたします。その結果も踏まえて、特定重要物資としての指定も含め、安定供給に向けた必要な対策を適切かつ迅速に講じてまいります。 次に、法案修正についてお尋ねがありました。 本法律案は、特定の事案を念頭に改正を行うものではありませんが、イラン情勢を含め、複雑化する国際情勢等に鑑み、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力を含む総合的な国力を強化しながら最大限活用し、我が国の平和と安全、繁栄を経済面から確保するための更なる措置を講ずるため、提出するものであります。 法案修正については、国会審議における御議論を経て、国会にて判断されるものと承知しております。 次に、AIを悪用したサイバー攻撃に対する政府の認識と、基幹インフラの対応についてお尋ねがありました。 AIがサイバー攻撃に悪用され、我が国の基幹インフラが危険にさらされるリスクをいかに回避するかという点は重要な課題であると認識しています。 現在、基幹インフラ役務の安定的な提供を確保するため、政府においては、サイバーセキュリティー等の観点から様々な施策を包括的かつ重層的に行っています。 経済安全保障推進法における取組としては、基幹インフラ制度の運用を通じて、サイバー攻撃等も含め、特定妨害行為のおそれの低減を図っているところです。 これに加え、基幹インフラ所管省庁においては、各業法やガイドライン等に基づき、事業者に対してサイバーセキュリティー対策を行うよう定めております。また、基幹インフラ事業者にはサイバー対処能力強化法に基づき、本年十月一日からサイバーセキュリティーインシデントが発生した場合等の報告が義務づけられ、更なるサイバーセキュリティー強化のための取組が進むと承知しています。 御指摘のクロード・ミュトスを始めとするAIの急速な進展への対応については、AISIとも協働しつつ、高度なAIの技術動向や国際情勢等について情報収集や分析を行い、必要に応じて対策を講じる等、関係省庁と連携して適切に対応してまいります。いずれにいたしましても、引き続き基幹インフラ制度を通じて、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に努めてまいります。 次に、官民協議会と日本版グラスウィングについてお尋ねがありました。 官民協議会は、経済安全保障では、政府のみならず民間企業等も主要な担い手となることから、経済安全保障上の幅広い課題について、あらゆる脅威やリスクを念頭に検討を行うために創設するものです。 米国企業が開発した、プログラムの脆弱性を発見する能力にたけたAIの事例も含め、AIを活用したサイバー対処能力の強化は、我が国の重要な課題です。 金融分野においては、金融庁主導によりAI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議が開催され、また、国家サイバー統括室においても、AIを活用したサイバー対処能力の強化について、有識者会議で議論が進められていると承知しています。 本官民協議会で協議を行う個別のテーマについては、こうした関係省庁の動きや改正法施行後の経済安全保障環境を踏まえ、適時適切に判断してまいります。 次に、基幹インフラ制度への医療分野の追加に係る病院の対応についてお尋ねがありました。 医療分野を基幹インフラ制度の対象とすることにより、対象となる医療機関等が重要な設備の導入や維持管理等の委託を行う際に、当該設備が我が国の外部から行われる妨害行為の手段として使用されるおそれについて審査することとなります。 このおそれが大きい場合、経済安全保障推進法第五十二条に基づき、事業所管大臣たる厚労大臣は、医療機関等に対し、設備の導入等計画書などの変更を含め、必要な措置を講ずることを勧告し、勧告に応諾しない場合には命令することが可能となっております。その上で、事業者が当該命令に違反した場合には、同法に基づき、罰則の対象となり得るものです。 次に、権限濫用等についてお尋ねがありました。 経済安全保障推進法の運用に当たっては、有識者の意見を聞くとともに、例えば、サプライチェーンの強靱化について、基本指針や個々の物資の取組方針を策定する際はあらかじめパブリックコメントを実施するなど、広く国民の意見を聞きながら各施策の詳細を決定しております。 このような手続を踏まえるとともに、毎年、施策の実施状況のフォローアップを行い、その結果をホームページ上で公表するなど、経済安全保障施策が適切な形で運用されるよう留意しており、特段問題となるような事案は発生していないと考えております。 経済安全保障推進法の各施策の評価に関するお尋ねについて、サプライチェーンの強靱化においては、これまで十六の特定重要物資について、百四十八件の供給確保計画を認定、支援し、液化天然ガスの余剰確保や肥料の備蓄を始め、安定供給確保の効果が出始めております。 基幹インフラ制度については、令和七年三月末までに九百七十二件の届出の審査を行いました。審査を通じて、特定重要設備が特定妨害行為の手段として使用されるおそれが低減し、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保につながっていると考えております。 先端的な重要技術の開発支援については、令和八年三月末までに四十の指定基金協議会を組織し、重要技術の研究開発等の伴走支援を進めております。 特許出願非公開制度については、二十五の特定技術分野において、令和七年三月末までに九十件の保全審査を行いました。審査を通じて、特許手続を通じた機微な技術の公開や情報流出の防止につながっていると考えております。 経済安全保障推進法の各施策を実施することで、法施行前と比べて、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保に向けた取組は着実に進展しているものと評価しております。 次に、経済安全保障上重要な海外事業の促進に関する制度において損失が生じた場合の検証及び説明責任、そして支援対象事業の認定基準についてお尋ねがありました。 まず、認定基準についてお答えいたします。本制度では、経済安全保障推進法第八十五条の三第四項において、支援の対象となる特定海外事業の認定をするための基準を明確に定めるとともに、同法第八十五条の二において、基本指針を策定し、当該認定に関する基本的な事項を定め、認定に際して判断する内容の明確化を図ることとしています。 政府としては、これらの法令上の基準及び基本指針に基づき、個々の事業計画について、必要な審査を行った上で認定し、支援を行うこととしており、御指摘のように、恣意的な判断や、法令、指針によらない形で認定を行うことはございません。 また、認定後の実施状況について、同法第八十五条の六第一項及び第二項の規定に基づき、認定特定海外事業者からの定期的かつ必要に応じた報告を受けることに加え、JBICを通じた適時適切なモニタリングを実施した上で、必要に応じて早期に対応を取ることにしています。 その上で、仮に、支援した事業において損失が生じた場合には、必要な事項の報告や資料提出の求めにより、事業の実施状況や、損失要因等について確認を行い、必要に応じて有識者等の御意見もいただきながら、フォローアップを行い、企業の機微情報等に鑑みて差し支えない範囲で、事業の実施状況やフォローアップ内容について公表してまいります。 また、本制度による支援が産業構造の転換を遅らせることがないのか、そのための歯止め策についてもお尋ねがありました。 まず、繰り返しになりますが、本制度は、我が国の経済安全保障上重要であるものの、国際環境の急激な変化等に伴うリスクの高まりにより、採算性に不確実性があるため、既存の支援ツールだけでは民間企業から十分な投資が行われない海外事業について、国の支援を呼び水として、民間企業の参画を得ることで、そうした事業の実施を可能にするものです。 したがいまして、本制度が産業構造の転換を遅らせるとの御指摘でありますが、そもそも、国が支援して先ほど申し上げたようなリスクを低減したとしても、事業の立ち上げや継続自体が見込めないような事業は支援の対象外と考えております。加えて、恒常的に赤字が見込まれるような事業性のない事業であって、赤字補填のために追加出資や融資が延々と求められる可能性があるものを支援対象とすることも想定しておりません。 こうした点は、支援対象事業の認定時において、JBICから情報提供を受けつつ、対象事業の実現可能性や収益性等をしっかり評価することで対処してまいります。 次に、重要技術の研究開発等に係る基金及び当該基金を設置する法人についてお尋ねがありました。 本法案の指定基金に関する改正は、公募型研究開発に係る業務を行う法人が、その特性に応じた特定重要技術の研究開発等を指定基金協議会を活用して行うことが重要であることから、指定基金協議会を設置できる基金の範囲を広げるものです。 この範囲には研究開発独立行政法人が設ける基金が含まれますが、実際に三十五の研究開発独立行政法人それぞれに基金を造成するためには、経済安全保障推進法とは別に各法人の設置法等に基金設置の根拠が必要です。したがって、本法案により新たな基金の設置が可能となるものではなく、また、予算措置の在り方を決めるものではございません。 なお、法人における指定基金の運営体制に関しては、国家公務員法等に基づく再就職に関する規定等も踏まえつつ、適切に運用していくことは当然です。 経済安全保障上の重要技術の研究開発等については、その特性等を踏まえつつ、実効性を持った適切な仕組みに基づき推進することが重要であり、本法案の内容は、このような取組に資するものと考えております。 次に、経済安全保障上重要な海外事業を支援する制度と日米の戦略的投資イニシアティブとの関係についてお尋ねがありました。 今般の制度は、海外事業のうち、我が国の経済安全保障上重要であるものの、採算性に不確実性があるため、本法律案で盛り込んだ劣後出融資といった政策的な支援がなければ民間資金の動員が図れないような事業を対象としております。 これに対し、日米戦略的投資イニシアティブは、了解覚書上も、元利返済相当額の分配とその後の追加的な利益配分を前提としており、採算性が確保可能なプロジェクトを念頭に置いております。 したがって、日米戦略的投資イニシアティブの下で実施されるプロジェクトに対し、今般の制度を活用することは想定しておりません。 最後に、総合的な経済安全保障シンクタンクと重要技術戦略研究所の統合についてお尋ねがありました。 総合的な経済安全保障シンクタンクは、今般の法改正で法的に位置づけられ、公的機関である独立行政法人内に設置されるものであり、政府の要請に即応することも含めて、外交、情報、防衛、経済、技術の専門性を要する調査研究、政策提言を行う唯一のシンクタンクとなります。 他方、重要技術戦略研究所については、一般財団法人として設立される民間の機関であり、アカデミアも巻き込んだ形で、産官学連携による経済安全保障の観点からの科学技術戦略の推進等に加え、大学と連携した人材育成を行うことが期待されているところです。 このように、これら二つのシンクタンクは想定されている役割及び組織体制が異なっていることから、両者の強みを生かす形で、しっかりと連携させてまいりたいと考えております。 また、有識者会議から御提案いただいた統合の在り方を検討するに際しては、独立行政法人と民間機関の組織体制の違い、人材育成に係る学位授与等の大学特有の機能の在り方、経済安全保障へのアカデミアの関与といった論点も含め、丁寧に整理を進める必要がございます。 いずれにいたしましても、人材、資金を最大限効果的に活用すべく、有識者会議の御提言も踏まえて、統合の在り方については、速やかに検討を進めてまいります。(拍手) 〔国務大臣片山さつき君登壇〕
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