- 発言者
- 高市 早苗
- 発言者名(原文表記)
- 高市早苗
- 役職(原文表記)
- 内閣総理大臣
- 発言日
- 2026-04-01
- 会議名
- 衆議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 10
国会本会議
衆議院 本会議での発言
高市 早苗(内閣総理大臣)
発言全文(原文)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 後藤祐一議員の御質問にお答えいたします。 国民への節電、節約の協力と危機対応の優先順位についてお尋ねがありました。 高市内閣としては、現下の中東情勢を受けて、石油備蓄法に規定する、石油の安定的な供給を確保するため特に必要があるとの認識を持ち、いち早く石油備蓄の放出を決め、IEAによる国際協調備蓄放出の決定を積極的に主導しました。 現在、石油については、備蓄放出やホルムズ海峡を経由しない代替調達を通じて、日本全体として必要となる量は確保されております。 また、電力についても、ホルムズ海峡を経由する燃料への依存度は低く、安定供給に支障は出ておりません。 国内での流通過程において、公共交通や運送事業用の燃料や、工場や漁業、農業用の燃料が行き届いていないケースについては、情報提供窓口を設け、寄せられた情報にきめ細かく対応しております。 さらに、ナフサや海外で生産される石油製品由来の部材など、中東情勢に伴い供給制約を受ける可能性がある燃料以外の重要物資についても、安定供給確保のための政府横断的な体制を構築しました。 御指摘の、国民の皆様への節電や節約の御協力依頼については、資源に乏しい我が国においては、毎年、夏と冬のエネルギー需要が増大する時期に行っておりますが、今後とも、重要物資の需給や価格などについて、足下の状況を把握し、あらゆる可能性を排除せずに、臨機応変に対応してまいります。 危機対応の優先順位に関して、国旗損壊罪や副首都法案については、自由民主党と日本維新の会との連立政権合意書に基づき、現在、両党間あるいはそれぞれの党において精力的に御議論いただいている状況と認識しており、現下の中東情勢に対して政府として進めている取組との間で優先順位をつける関係にはございません。 内閣情報調査室及び国家情報局の情報収集並びに通信傍受法に基づく通信傍受についてお尋ねがありました。 現行の内閣情報調査室は、内閣法に基づき、内閣の重要政策に関する事項について情報の収集調査を実施しています。 本法案で設置する国家情報局は、現行の内閣情報調査室の情報収集に関する所掌事務を引き継ぐこととしており、また、国家情報局以外の行政機関を含め、本法案により、新たに情報収集機能を追加することはありません。 そして、本法案は、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の改正を伴うものではありません。御指摘の、通信傍受を含む犯罪捜査は、犯罪があると思料するときに関係法令に基づいて必要な範囲で適切に行われるものであり、本法案によりその原則が変更されるものでもありません。 本法案による情報収集機能の強化についてお尋ねがありました。 我が国においては、これまで、情報活動に関し、政府全体を統括する見地から調査審議を行う閣僚級の会議体は存在していませんでした。 また、国家情報局が各省庁との総合調整を行うことにより、政府全体のインテリジェンスサイクルがより充実すると考えております。 国家情報会議が定める基本方針の下、国家情報局が総合調整を行うことで、集約される情報の質、量共に向上し、政策部門に提供されるインテリジェンスが向上する価値は高いと考えております。 国家情報会議及び国家情報局が取り扱う情報についてお尋ねがありました。 関係行政機関が保有する個人情報等は、関係法令に基づき適切に取り扱われることは当然であり、本法案によっても、そのことに変わるところはありません。 また、本法案において、国家情報局は重要国政運営に資する情報の収集活動等に関する総合調整を関係省庁に対して行いますが、この重要国政運営の例示として、安全保障の確保、テロの防止及び緊急事態への対処を掲げているとおり、こうした国民の皆様の安全や国益を守っていく上で必要な総合調整を行うものでございます。 なお、国家情報局がこのような観点に全く基づかない指示を関係省庁に行うことはなく、また、その必要もないことから、国家情報局が国民のプライバシー等を無用に侵害するようなことはありません。 これらのことについては、本法案の国会審議においても説明を尽くしてまいります。 重要国政運営及び政治的中立性についてお尋ねがありました。 本法案の重要国政運営のうち国政という言葉は、対外政策や安全保障政策、行政全般や財政運営などを示すものと考えており、重要国政運営は、それらの政策や制度、あるいはその運用の中で重要なものということです。 また、民主主義の根幹を成す選挙において、例えば、外国勢力が偽情報の拡散を含む影響工作を行うことは、国家の安全や国益を揺るがす脅威になり得るものです。その手口や実態を解明することは、外国情報活動への対処のみならず、重要情報活動としての側面を持ち、国家情報会議の調査審議事項となるものと考えています。 他方、選挙であってもなくても、外国勢力によるものでない、我が国の市民団体等の活動については、調査審議事項にはなりません。 いずれにしても、本法案は、政府全体の情報活動を俯瞰する立場から、国民の安全や国益の確保に資する情報の戦略的な収集、集約、分析を図るものであり、情報の政治利用の危険性を高めるものではありません。 なお、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成し、公表するなど、政府の情報活動について御理解をいただくための取組についても検討してまいります。 外国情報活動への対処の具体例についてお尋ねがありました。 外国情報活動への対処とは、公になっていない情報のうち、その漏えいが重要国政運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動であって、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処をいい、これに該当するものであれば、活動の場所や国籍を問わず、会議の調査審議の対象となり得ます。 外国情報活動への対処の詳細をつまびらかにすることは控えますが、例えば、過去には、外国勢力が日本企業の重要な情報を不正に入手したとして不正競争防止法違反で摘発された場合において、その共犯者が日本人であった事例もございました。我が国の世論形成や政策決定を自国に有利なものとするために行う偽情報の拡散などの諸工作に対処することも、外国情報活動への対処に当たり得ます。 対外情報庁などの検討についてお尋ねがありました。 連立政権合意書に記載された政策については、お尋ねの、現行制度上できないが新たに可能となり得る活動といったことも含め、短期間で結論を得られる課題ばかりではないことから、現時点においてその検討状況などをお示しできる段階にはございませんが、今後、様々な方々に御意見を伺いながら、丁寧に検討を進めてまいります。 国家情報会議への格上げや、情報機関に政策が持ち込まれることへの懸念についてお尋ねがありました。 まず、国家情報会議への格上げについては、事務次官級で構成される内閣情報会議を、総理を議長、閣僚を議員とした国家情報会議に格上げすることで、政治のリーダーシップをより一層発揮しながら、新たに政府全体の情報活動に関する基本方針などを定めてまいります。 また、情報部門と政策部門の双方を同じ大臣が所管することは現在もありますが、それぞれの大臣の指揮監督の下で適切な情報活動が行われていると認識しております。 本法案により、専ら情報評価などを行う会議体が設けられ、政策と情報を分けて議論する仕組みが整備されることは、情報の客観性の確保という点においても大きな意義があると考えております。 政策部門と情報部門の関係や、国家安全保障局などに対する情報提供についてお尋ねがありました。 政策部門と情報部門は相互に干渉し過ぎないように活動することが重要であり、政策部門への配慮により報告すべき情報が報告されなかったり、情報部門の意向で政策がゆがめられるといったことがあってはならないことは当然であると考えております。 情報部門と政策部門の双方がそれぞれに期待されている機能を十全に発揮することが重要であり、その運用には十分配慮してまいります。 また、本法案については、法の施行後も、国家安全保障会議及び国家安全保障局が、国家情報局からのみならず、関係行政機関からも直接資料又は情報の提供を受けることに変わりはございません。 国家情報局を経由しない情報は例えば外交交渉の進捗などといった政策に係るもの、国家情報局が提供するのはインテリジェンスコミュニティーから集約して分析したものというように、質的な違い、これはあり得ますが、いずれも必要なものと考えております。 イランの核開発に関してお尋ねがございました。 我が国の情報収集能力に関する事柄についてはお答えいたしませんが、その上で申し上げれば、イランは、IAEAの査察を完全には受け入れておらず、原子力の平和的利用への限定について説明責任を果たしていません。 イランによる核兵器開発は決して許されないというのが我が国の一貫した立場であり、イランに対しても、米国との協議や、国際原子力機関、IAEAとの完全な協力を求めてまいりました。 我が国としては、今後もイランに対し一層の透明性向上を求めていく考えです。 三月二日の衆議院予算委員会においても、こうした我が国の立場に基づいてお答えをいたしました。 制度の適切な運用を監視するための方策についてお尋ねがありました。 本法案は、行政機関相互の関係を律するものであり、国民の権利義務に直接関わるような権限の強化等を行うものでないことから、国会の関与について新たな規定を設けることはしていませんが、閣僚級の国家情報会議が情報活動の基本方針などを定める仕組みが整備されることは、政府の情報活動に対する民主的統制の強化に資するものと考えております。 先ほど申し上げたとおり、政府の情報活動について御理解をいただくための取組についても検討してまいります。 内閣情報調査室の定員や人事交流などについてお尋ねがありました。 三十五名の定員増などを含む令和八年度予算案をお認めいただいた際には、内閣情報調査室の定員は五百三十七名となります。 情報機能強化のための令和九年度以降の体制整備の方針は、今後の検討事項であり、現時点でお示しできることはございません。 国家情報局と関係省庁との人事交流については、各省庁で培われた多様な専門的知見を生かすとともに、相互理解を深めるといった観点から有意義であると考えており、積極的に実施をしてまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手) 〔国務大臣上野賢一郎君登壇〕
情報源
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