- 発言者
- 鈴木 憲和
- 発言者名(原文表記)
- 鈴木憲和
- 役職(原文表記)
- 農林水産大臣
- 発言日
- 2026-06-16
- 会議名
- 参議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 6
国会本会議
参議院 本会議での発言
鈴木 憲和(農林水産大臣)
発言全文(原文)
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○国務大臣(鈴木憲和君) 徳永エリ議員の御質問にお答えいたします。 新たな水田政策の支援水準と農林水産関係予算の増額についてのお尋ねがありました。 新たな水田政策については、令和九年度から開始することを基本とし、今後詳細な制度設計の検討を進めることとしており、その中で支援単価についても併せて検討していくものであるため、現時点でお示ししておりません。 また、新たな水田政策を実行するための予算については、支援単価を始めとした詳細な制度設計の検討結果を踏まえて措置されるものですが、現行の水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編により得られた財源を活用し、将来にわたり国民に食料の安定供給を果たせるよう、必要な額の確保に努めてまいります。 次に、流通実態の把握の実効性についてお尋ねがありました。 今般の改正法案では、加工、中食、外食事業者を届出対象に追加すること、在庫数量や取引数量の定期報告を義務化することにより、流通実態の把握強化を進めるとともに、その実効性を確保するため、届出、定期報告に係る罰則を厳罰化することとしています。 また、事業者の負担を軽減することも重要であることから、定期報告の対象者は一定の規模以上の方に限ることや、報告方法も電子申請を導入することなどの対応を行うこととしており、これらの措置により流通実態の把握の実効性を確保してまいります。 次に、備蓄の運営における政府の責任についてのお尋ねがありました。 国民の主食である米の安定供給は国の責務であり、食料安全保障の観点から不可欠であることから、供給が不足する場合に備え、引き続き国として責任を持って備蓄運営を行ってまいります。 一方、政府備蓄については、売渡し手続に時間を要するなどの課題が明らかになったため、本改正案では、備蓄米放出の機動性を確保する観点から、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄を明記したところでありますが、これにより備蓄運営における国の役割が後退することは全くありません。 次に、政府備蓄と民間備蓄の備蓄水準についてのお尋ねがありました。 現在、備蓄米の適正水準は、十年に一度の不作や通常程度の不作が二年連続で続いた場合にも対応可能な水準として、米の基本指針において百万トン程度としています。 今後の備蓄水準は、引き続き百万トン程度とした上で、これを維持する中で、例えば、政府備蓄で八十万トン、民間備蓄で二十万トンを確保することを想定しています。 この民間備蓄二十万トンについては、米の供給不足に対する不安感による市場の混乱を早期に払拭する観点から、過去の不作時や南海トラフ地震臨時情報が発出された場合における需要量の増加等も踏まえ想定した水準であります。 次に、民間備蓄の財政上の支援についてお尋ねがありました。 民間備蓄に係る事業者の負担については、事業者に対し、備蓄米の保有が円滑に行われるよう、政府が必要な財政上の措置等を講ずる旨を改正法案に規定しています。 措置の具体的な内容については、今年度実施する民間備蓄に係る実証事業等を踏まえた上で検討してまいります。 次に、需要に応じた生産についてお尋ねがありました。 需要に応じた生産とは、主食用、米粉用、輸出用といった多様な用途の米について、国内外の需要を創出した上で、その需要を満たすよう生産することを意味しており、この場合の需要には、現在の需要はもちろん、海外需要も含め、新たに創出された需要も含みます。 次に、米の需要創出や拡大についてのお尋ねがありました。 米の需要創出や拡大については、その重要性を踏まえ、昨年閣議決定した食料・農業・農村基本計画において、米粉などの需要開拓や輸出の拡大等を図ることを位置付けているところです。 さらに、今般の改正法案では、新たに政府の責務として米の需要開拓、輸出促進、生産性の向上の施策などを講ずる旨を明記したところであり、私も先頭に立ってその責務を果たしてまいります。 次に、生産者による需要に応じた生産の規定を設けた理由についてのお尋ねがありました。 米政策については、平成三十年に国が生産数量目標の配分を行わない政策に移行して以来、生産者が、主食用米の需給動向等を踏まえ、自らの経営判断で需要に応じた生産を行うことが実態として根付いています。 今般の改正案では、こうした実態を踏まえ、国による生産調整を廃止し、生産者が主体的に需要に応じた生産に取り組むことを明確に表すため、本規定を新設したところです。 またあわせて、需要に応じた生産が円滑に進むよう、新たに政府の責務として需要開拓、輸出促進、生産性向上等の施策を講ずる旨を明記したところであり、生産者に対し、需要に応じた生産の責任を押し付け、それが実現できなかった場合にペナルティーを科すという考えは全くございません。 次に、精緻で正確な需要見通しの策定についてのお尋ねがありました。 需要見通しについては、昨年九月、これまでの需要のマイナストレンドを前提としていた算定方法を見直し、直近の消費実績やインバウンド需要等を基に算定する方法へ改めたところです。 また、今般の改正法案では、加工、中食、外食の事業者を届出事業者に追加し、流通業者の需要実態を幅広く把握することなどの措置を盛り込んでいるところであり、これらの措置により得られた情報は逐次需要見通しに反映し、精緻な需給見通しの策定に努めてまいります。 次に、公的試験研究機関での品種育成と種苗の生産者の人材育成についてのお尋ねがありました。 気候変動が進行する中、高温や病害虫に強いなどの特性を持つ重要品種の開発が急務であるため、令和七年度から始まった農業構造転換集中対策の中で、農研機構や都道府県が行う重要品種の開発を支援しているところです。 また、重要品種の開発を促進するため、現在国会で御審議をいただいている気候変動等対応品種法案の中で、農研機構の研究設備の供用等の特例措置を盛り込んでいるところです。 加えて、種苗生産に係る人材育成のためには、異なる品種の混入防止や、作業の省力化、効率化が重要です。ドローンやAIを活用し、圃場での異なる品種の検出を速やかに行う技術開発のほか、収穫、乾燥、調製作業を省力化する機械の導入、種苗の栽培技術に係る講習会などを支援しているところであり、気候変動に適応した重要品種の導入を品種開発、種苗生産の両面から進めてまいります。 次に、稲以外の作物の生産の振興に関する規定を削除した理由についてのお尋ねがありました。 御指摘の第二条第二項は生産調整の推進に関する施策を規定しているものですが、今般の改正法案で、生産者による需要に応じた生産を進める観点から、生産調整方針を廃止することに併せて本規定を削除したところです。 一方、食料安全保障を確保するには、輸入依存度の高い麦や大豆などについて、全ての田畑をフル活用し、生産性を向上させることが重要です。 このため、昨年四月に策定した食料・農業・農村基本計画の中で麦や大豆などの増産目標を設定するとともに、今般の改正法案においても新たに第五条第四項を設け、需要に応じた生産に関する国の責務として、米の需要開拓や輸出促進、生産性向上と並んで、麦、大豆の生産振興も念頭に関連施策を位置付けたところであり、引き続き、麦、大豆など、水田のフル活用を図ってまいります。 次に、再生産可能なセーフティーネットの在り方についてのお尋ねがありました。 生産者が安心して営農活動を行うためには、生産者の再生産、再投資が可能な価格に落ち着いていくことが重要であると考えております。 本年四月の食料システム法の施行を受けて公表された米のコスト指標は、生産から販売に至る各段階のコストを明確にし、コスト割れでの供給を抑止しようとするものです。これを参考に、生産から流通、販売に至る各段階の取組が適正に行われるよう取り組んでまいります。 その上で、農業収入が減少した場合に備え、従来から収入保険などのセーフティーネット対策を措置しており、引き続きこうした施策を着実に推進してまいります。 次に、所得補償制度の創設についてのお尋ねがありました。 所得補償制度の創設については、税金が原資であることも踏まえると、国民の皆様の御理解を得る必要があるとともに、どのような理念で支援を行うのか、どういった農業者を対象とするのか、支援の水準をどのように設定するのかなど、慎重な検討を要するものと考えております。(拍手) ─────────────
情報源
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