- 発言者
- 牧野 俊一
- 発言者名(原文表記)
- 牧野俊一
- 役職(原文表記)
- 未登録
- 発言日
- 2026-03-04
- 会議名
- 衆議院 財務金融委員会
- 発言種別
- 国会委員会
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 177
読み込み中
国会委員会
国会会議録検索システムから取得した原文です。要約や言い換えは加えていません。
○牧野委員 ありがとうございます。 今、こうした不祥事といった事案が多発しているという状況にございますが、我々としては、それ以前に、この保険業界の既存の産業構造自体に大きな問題があるのでないかというふうに考えております。 こちらは、金融庁の二〇二五年保険モニタリングレポートから抜粋いたしました主要生命保険会社の利益構造の推移になります。資料の三枚目を御覧ください。 保険会社の収益は、利差損益、死差損益、費差損益の三つに分類することができます。このグラフにおいては、費差損益というのは青い網かけのところですけれども、事業費の支出予定額と実際に支出した額の差、ここは非常に規模が小さいので無視していただいて結構です。 主に生命保険業界の利益に関しては、利差損益、予定利率に基づく運用の収益と実際の運用収益の差、そして死差損益、赤い部分ですけれども、保険金、給付金の支払い予想額と実際に支払った額の差から構成されていて、特に主要な生命保険会社の利益は死差益が多くを占めております。 直近二〇二四年では、四兆円弱の利益のうち、三兆円弱を死差益が占めております。二〇一四年頃までは、御覧のとおり、バブル崩壊後の利差損益の逆ざや問題というものが発生しておりまして、この時期には死差益で利差益の穴を埋めるということも許容されたかもしれませんが、コロナ後の二〇二二年以降は、金利上昇局面に入って、利差損益もプラスに転じております。 結論から申しますと、この死差益というものは、本来契約者が受け取るべきものであって、保護法益であるということを明確にするべきだというふうに考えます。このために、保険業法五十五の二の余剰金の分配に関する保険業法施行規則三十条の二、余剰金の分配の計算方法等で、死差益の一定比率の分配を義務づけ、株式会社についてもそれを準用するべきであるというふうに考えております。また、無配当保険についても、死差益が過大になる場合には、保険料の相殺等によって契約者負担の減額を義務づけるべきであるというふうに考えます。 海外に目を向けますと、ドイツやイギリスでは死差益の約九割、その他の国でも死差益の半分以上を返還するという明文化したルール、あるいは慣習がございます。一方、日本では、医療アクセスが非常に容易で、衛生環境や治安が良好ということもあって、世界的に見ても、契約者が亡くなることなく満期を迎える割合が高く、死差益が非常に拡大しやすい、いわば保険会社から見ればおいしい市場である。にもかかわらず、死差益返還に関する明確なルールがありません。とりわけ、株式会社の場合は、第一に保護されるべき契約者ではなくて、株主が優先されるケースが散見されます。 パネルはございませんが、四枚目にお配りしました表の資料を御覧ください。 こちらは、実際に二〇二五年度三月の決算の数値を確認したものですが、第一生命の利益四千八十億円のうち五百五十億円、かんぽ生命の利益千二百三十四億円のうち八十億円が配当として海外に流出しております。 また、外資系生命保険会社におきましては、アフラック四千二十九億円、マニュライフ九十四億円、プルデンシャル五百八十九億円と、この三社だけで四千七百十二億円が海外に流出しております。 この数値は純利益とイコールになっていますけれども、これは、彼らの日本法人が向こうの本国から見ると一〇〇%子会社ということになっていますので、その利益の配当性向一〇〇%、外国人比率一〇〇%ということでこの計算になっております。これらは、利差益や費差益ではなく、日本の規制の不備をついた死差損益が大半を占めております。実際に、これらの外資三社にとっては、日本が収益ドライバーとして大きな役割を果たしています。 以上の五社だけでも、株主配当で約五千億円超の流出が実際に発生していて、これらの例えば半分、二千五百億円が契約者配当などの形で国民に還元されていれば、毎年かなりの経済効果が見込めるとともに、多くの人の可処分所得向上に寄与できるというふうに考えます。 こうした過大な利益が生じる構造が放置されていることを背景として、フルコミッション型の完全歩合制給与形態という下で、無理をしてでも契約を取らないと生き残れないというふうな心理的圧力が保険会社の営業社員に強く重くのしかかった結果、プルデンシャルで見られたような架空取引であるとか名義貸しといったことが横行するような状況につながったものというふうに考えております。 保険業法というものは、保険は相互扶助のもので、利益は加入者みんなのものだという思想の上に成立した法律だというふうに理解しています。いま一度、この死差益は本来契約者が受け取るべき保護法益であるという観点から、規制の在り方を見直すべきではないかというふうに考えておりますが、金融庁、そして財務大臣のお考えはいかがでしょうか。
この発言の取得元です。原文は国会会議録検索システムでも確認できます。