- 発言者
- 高市 早苗
- 発言者名(原文表記)
- 高市早苗
- 役職(原文表記)
- 内閣総理大臣
- 発言日
- 2026-06-02
- 会議名
- 参議院 本会議
- 発言種別
- 国会本会議
- 国会回次
- 第221回
- 発言番号
- 21
国会本会議
参議院 本会議での発言
高市 早苗(内閣総理大臣)
発言全文(原文)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 原田大二郎議員の御質問にお答えいたします。 補正予算の編成を含む政府の対応の早さについてお尋ねがありました。 今回の補正予算は、中東情勢が不透明である中、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、与党の提言も踏まえ、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応するため、リスクの最小化の観点から万全の対応を取るものです。 政府としては、これまでも、燃料油価格の激変緩和措置や先月使用決定した令和八年度予備費を活用した電気・ガス料金支援、さらには今回の補正予算の編成に至るまで、一貫して現場のお声を受け止め、国民の皆様の命と暮らし、経済活動に支障が生じないよう、必要に応じてタイムリーに対応してきており、今回の補正予算の編成を含め、必要な対応が遅れたとの御指摘は当たらないと考えております。 補正予算について、個別の事業として予算化せず、多額の予備費を計上する理由についてお尋ねがありました。 中東情勢への対応については、今般、電気・ガス料金について、使用量が多くなる七月から九月の支援を実施するため、五月二十六日に令和八年度予備費を使用決定したほか、今回の補正予算では、特別高圧電力やLPガスの利用者支援など、地域の実情に応じた支援を実施できるよう重点支援地方交付金の追加措置も行う予定であり、状況に応じて必要な個別の支援策を講じております。 その上で、中東情勢が不透明である中、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、必要に応じてタイムリーに対応することが重要であり、今回の補正予算は、こうしたリスクの最小化の観点から万全の対応を取るものです。このため、今回の補正予算においては、今後の万全の備えとして中東情勢等対応予備費を創設するものであり、これらも活用し、引き続き臨機応変に対応してまいります。 ナフサ由来製品の供給状況などについてお尋ねがありました。 ナフサについては、代替調達が進み、従来の八五%の水準まで回復するとともに、川中の製品輸入が大幅に進んだため、四月の在庫活用を〇・一か月分に抑えることができ、現時点の中間在庫は一・七か月分となっています。このため、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は、年度を越えて供給が継続できる見通しです。 昨日の中東関係閣僚会議では、シンナー、塗料、塩ビ管といった川下製品ごとに川中在庫の量を公表しております。あわせて、ナフサ関連のサプライチェーンの川上から川下まで八つの業界団体が、四月まで前年と同水準又はそれ以上の供給実績があり、今後も継続的に供給できる見通しについて定量的に発信されている旨も御紹介しました。 御指摘の中間在庫の内訳は、公表されている統計情報のみならず、関係企業から得た非公開情報に基づき集計しているため、詳細を公表する予定はありません。 ナフサの増産や代替調達については、四月、五月と国内精製と中東以外からの輸入による代替調達の実績が着実に伸びていること、川中、川下のサプライチェーンが多岐にわたるとともに、ナフサから生産される基礎化学品の比率は一定であることから、目詰まり解消への直接的な効果を及ぼせないこと、石油化学メーカーのナフサタンクの受入れ余力に制約があることを考慮する必要がございます。 また、価格高騰対策については、仮にナフサに補助をする場合、ナフサ以降のサプライチェーンが広範かつ多層にわたるため、最終需要家や消費者にとって直接的な効果が届きにくいと考えております。 一方、塗料、シンナーにつながるサプライチェーンの在庫は他と比較して少なく、目詰まりの声が大きいことを踏まえ、直接的な効果が期待できる措置として、今般、これらの原料となるトルエン、キシレンについて、石油化学メーカーや石油元売から従来を大きく超える量を塗料、シンナーメーカーなどに新たに直接供給することで、例年の一・八倍の大幅な供給拡大を実施します。 窓口に寄せられる御相談やプッシュ型支援を通じて得られる情報を踏まえ、効果的な措置を講じてまいります。 中低所得者、子育て世帯への直接給付、医療、介護等への経営支援についてお尋ねがありました。 高市内閣では、物価高に対して最優先で取り組み、昨年の経済対策や令和七年度補正予算において、子供一人当たり二万円の物価高対応子育て応援手当、医療、介護、福祉分野における支援などを盛り込み、それらの施策は地方公共団体において予算化され、順次国民の皆様にお届けしております。 さらに、令和八年度予算では、三十年ぶりに三%台という高い改定率で六月一日から施行された令和八年度診療報酬改定による対応、次期定例改定を待たず六月一日から期中改定を行った介護報酬、障害福祉サービス等報酬による対応などの取組を進めております。 また、今般の中東情勢を受け、本年三月から緊急的激変緩和措置によるガソリン等の価格を抑えるための補助を開始するとともに、五月二十六日には、電気・ガス料金について、標準的な御家庭で七月から九月の三か月で五千円の負担軽減となるよう、令和八年度予算の予備費を使用決定しました。 こうした様々な支援策を講じており、御提案の低所得者、子育て世帯への直接給付等を含め、御審議いただいている令和八年度補正予算に含まれていない新たな予算措置は考えておりませんが、引き続き、中東情勢が物価動向や経済に与える影響を注視し、経済財政運営に万全を期してまいります。 資材不足や物価高の影響を受ける中小企業支援についてお尋ねがありました。 雇用調整助成金について、コロナ禍での特例措置は、国が事業主に対し強い休業要請を行った際の異例の対応であり、今般の状況とは性質の異なるものであると考えております。 現時点では、雇用調整助成金の活用を具体的に検討する段階に至っている事業主は少なく、特例措置を行う状況にはないと考えていますが、円滑に雇用調整助成金の活用が進むよう、全国の労働局が経済産業局等と連携し、プッシュ型の情報提供を進めるなど、万全の対応を講じております。 これに加え、中小企業・小規模事業者の皆様に対しては、これまで特別相談窓口の設置、日本政策金融公庫による貸付けの金利引下げ、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請を実施してきましたが、先週発表したとおり、業況が厳しい業種を追加して信用保証による支援を強化するとともに、取引Gメンや建設Gメンなど、千人体制で中東情勢の影響を重点調査し、価格転嫁の徹底を図るなど、支援を強化することとしております。 今回の中東情勢を踏まえた今後のリサイクルやナフサ代替の必要性についてお尋ねがありました。 政府としては、ナフサ以外の原料を用いた化学製品の製造プロセス確立のため、GX経済移行債などを活用した取組を進めています。 例えば、廃プラスチックや廃ゴムからの化学製品製造に関する研究開発への支援を通じて、原料多様化や効率の高い生産技術の確立に取り組んでいます。 加えて、ナフサ由来原料からバイオマス原料への原料転換などに必要な設備投資支援を行っています。 こうした取組により、化学製品の安定供給と石油依存低減の両立を図りつつ、産業構造の転換を着実に進めてまいります。(拍手) ─────────────
情報源
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