国会本会議

参議院 本会議での発言

上野 賢一郎厚生労働大臣

発言全文(原文)

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○国務大臣(上野賢一郎君) 山内佳菜子議員の御質問にお答えをいたします。  介護保険制度の給付、負担の在り方などについてお尋ねがありました。  介護保険制度は老後の安心を支える基盤であり、必要な方に必要な介護サービスを提供することが不可欠と認識しております。今後、更なる高齢者人口の増加によりサービス需要の増加が見込まれる中、今後も必要な介護サービスの提供体制を確保していくことは重要です。  制度の持続可能性を維持し、全ての世代にとって安心なものとなるよう、給付、負担の在り方も含め、不断の見直しを行ってまいります。  介護の地域間格差についてお尋ねがありました。  介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、利用者の選択により必要なサービスを総合的に受けられる制度として創設されたものです。今後、自治体の規模や地域によって高齢化や人口減少のスピードに大きな差が見込まれる中で、地域の実情に応じて適切にサービスを組み合わせて提供できる体制を確保していくことが重要であり、この考え方は御指摘の憲法の理念とも整合するものと承知しています。  このような観点から、本法案では、地域の実情に応じて多様なサービス基盤を整備するために必要な措置を講ずることとしており、希望する地域において御本人の選択に基づき適切なサービスを利用できるように取り組んでまいります。  特定地域サービス等についてお尋ねがありました。  今回新設する特定地域サービス等の仕組みは、全国一律の介護保険制度を堅持しつつ、現行制度下でサービスの維持確保に課題を抱える中山間・人口減少地域について制度上の対応を行うものです。  制度の導入に当たっては、利用者の安全などサービスの質の確保が重要であると認識をしており、現在約二百の保険者で実施されている基準該当サービスの取組等を踏まえ、人員基準等を設定することを想定しております。また、自治体が随時サービス提供状況の確認を行う、ケアマネジャーを始めとする地域の関係者との連携など外部の目が入る仕組みとするといったことも必要と考えております。  詳細な要件については、現場の意見を丁寧に伺いながら、関係審議会において検討してまいります。  有料老人ホームに係る新たな相談支援類型と利用者負担についてお尋ねがありました。  新たな相談支援類型は、介護付有料老人ホーム等と住宅型有料老人ホームの入居者像が極めて近いものとなっていることや、住宅型有料老人ホームの囲い込みへの対応として創設するものであり、ケアプラン作成を含めて定率負担で対応している介護付有料老人ホーム等の仕組みとの均衡の観点から利用者負担を求めることとしているものです。  今回の見直しは、ホームの入居要件とひも付いた過剰な介護サービスの利用の適正化や、利用者の自立支援、重度化防止に資するケアプランの作成が期待されるものであり、利用者への影響等については、関係者の意見も伺いながら、丁寧に把握してまいります。  また、自宅等の一般的な在宅で介護サービスの提供を受ける方に対して利用者負担を求めることを予定しているわけではありません。  訪問介護の経営状況についてお尋ねがありました。  訪問介護の事業所数については、経年で見ると、全事業所の一割程度が休止、廃止していますが、新規、再開する事業所数はそれを上回っており、差引きでは微増傾向にあると認識しています。  訪問介護事業者の経営状況については、地域の特性、事業所規模、事業形態等により様々である中、長引く人手不足や物価上昇の影響などにより厳しい状況にあると認識しており、令和六年度の介護報酬改定以降、こうした状況を踏まえた支援を行ってきたところです。  さらに今後、令和九年度報酬改定に向けて、今年度実施している介護事業経営実態調査において、事業者の立地や規模、事業形態など、経営状況をきめ細かく把握した上で、適切な単価設定を検討してまいります。  介護分野の人材不足と処遇改善についてお尋ねがありました。  生産年齢人口が減少し、医療と介護の複合ニーズを必要とする八十五歳以上人口が増加する中、地域の介護サービスに必要な人材を確保することが課題であり、人材不足の要因は様々ですが、特に処遇改善の取組を着実に進めていく必要があると考えております。そのため、令和八年度の臨時改定による他職種と遜色のない処遇改善に向けた措置に加え、令和九年度の定例改定においても、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施してまいります。  なお、目指すべき賃金水準については、多角的な検討が必要と考えております。  また、地域の実情に応じた人材確保策に取り組むため、本法案には、都道府県を中心に地域の関係者が人材確保に係る実践的な取組を検討、実行するための協議会の仕組みを盛り込んでおり、こうした取組も通じて、介護人材の確保に全力で努めてまいります。  介護福祉士養成施設卒業者の国家試験義務付けに係る経過措置についてお尋ねがありました。  今回の法案では、資格の質を担保する観点と介護サービスの提供に支障が生じないようにする観点の両方を踏まえ、令和九年度から令和十三年度までの介護福祉士養成施設卒業者を対象とし、卒業後五年間に限り、国家試験に合格せずとも介護福祉士の資格を有することができる措置を講ずることとしています。  その上で、日本人と比べて合格率が低い外国人留学生を含め、国家試験合格による介護福祉士資格の取得を支援するため、日本語教育の更なる充実、留学生指導のためのガイドラインの活用等による養成施設の教育の質の向上、多言語による学習教材や国家試験対策講座の活用等をより一層進めてまいります。  日常生活自立支援事業についてお尋ねがありました。  本事業には、待機者が生じていることや担い手の確保について課題があるものと認識しており、関係審議会の報告書等でも同様の指摘がありました。  本法案では、単身高齢世帯の増加等を背景として、日常生活自立支援事業を発展させ、福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業を新たに制度に位置付けることとしています。新たな事業の実施に際しては、現在の日常生活自立支援事業において指摘されている体制面での課題も踏まえ、必要な体制の確保に取り組んでまいります。  社会福祉協議会の体制及び市町村や都道府県との役割分担についてお尋ねがありました。  全国どの地域でも福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業による援助を受けられるよう、都道府県社会福祉協議会には都道府県の区域内で必要な事業の実施を義務付けています。この点を踏まえ、社会福祉協議会の体制については、現在の福祉サービス利用援助事業における取扱いを参考にしつつ、他の民間事業者も担い手になる点といった特徴も踏まえて、今後の予算編成過程で必要な対応を検討してまいります。  また、本事業については、都道府県知事が必要に応じて指導監督を行うこととなるほか、今後国において策定するガイドライン等を通じて適正な事業運営を促してまいります。加えて、頼れる身寄りがいない高齢者等を地域全体で支える体制を整備するため、大臣指針や地域福祉計画のガイドラインにおいて市町村の役割を位置付けてまいります。  身寄りのない高齢者等への支援の利用料及び事業継続についてお尋ねがありました。  福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業は利用料収入で運営いただくことを原則としており、無料又は低額で利用する対象者への援助に必要な費用が生じることも考慮して、事業の運営主体において利用料を設定いただくこととしております。  本事業の支援の内容、無料又は低額の料金で利用できる方の資力の目安、利用料の在り方といった事業の詳細は、今後、調査研究事業等を活用し、検討を深め、ガイドライン等で示す予定としており、実施に当たっては、その内容に沿った対応及び実施体制の確保を行っていただきたいと考えています。  持続可能な社会保障制度の構築についてお尋ねがありました。  社会保障制度を持続可能なものにしていくためには、給付と負担の在り方について、現役世代を含む全ての世代を通じて納得感が得られるものとすることが重要です。  これまでも、制度改革、効率化等に取り組むことで、社会保障関係費の全体的な伸びを抑えつつ、高齢化による増加分に相当する予算を確保しており、さらに、令和八年度は、経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分も加算して確保しています。  今後とも、全ての世代で能力に応じて負担し、支え合い、必要なサービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障の構築に必要な財源を確保して取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────

情報源

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国会会議録一次情報

第221回国会 参議院 本会議 第20号

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発言情報

発言者名(原文表記)
上野賢一郎
役職(原文表記)
厚生労働大臣
発言日
2026-06-09
会議名
参議院 本会議
発言種別
国会本会議
国会回次
第221回
発言番号
7